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日本経済をターンアラウンドする~総選挙で「消えた争点」②

Japan In-depth / 2024年10月25日 21時0分

 


 となると、確かに小幡教授のいうように「大きなどういった社会にするのか」というビジョンの提示は必要だ。つまり、大きな方向性、例えば、


 


・アメリカのような格差が大きく、競争が激しい社会なのか?


・税金は高く安心は保証されるが競争は厳しい北欧スタイルでいくのか?そこそこ平等な社会なのか?


・格差をどう解消するか?


・SDGsを徹底する社会なのか?


・アトキンソンが言うように、中小企業を統廃合していくのか?


・労働分配率や再配分をどうするか?


・東京一極集中をどの程度是正していくのか?


 


という論点に対しても明確な違いが見えにくい。


 


■ 日本経済をターンアラウンドする方法はこれだ


 


 筆者は「日本経済をターンアラウンドする」という連載をするなど長年、経済政策を考えてきた。岸田政権が進めてきた「成長と分配の好循環」に基本的に賛同もしてきた。しかし、やはりまだまだ経済政策として政府がリーダーシップをふるう必要はあるだろう。


 


 大企業に対しては


①労働者のさらなる賃上げ


②大企業が下請けを締め付けない


③中抜きなどは徹底規制する


④人的資本経営の徹底


⑤イノベーションや新規事業の展開


が必要である。こうした取り組みを促していく必要がある。


 


 そして、政府としては経済環境全体に対して


・まずは労働者のリスキリングの徹底支援


・解雇規制緩和や雇用の流動化、転職市場活性化


・法人税増税・高所得層への負担増


・中小企業法の見直し


などをしていくべきだろう。


 


 これこそが、日本経済をターンアラウンドする方向だ。本来は、賃上げとともにこういったことをしなくてはいけない。どう考えても、この30年、大企業が優遇され、新自由主義は徹底されず、「ゾンビ企業」は延命。まっとうな競争環境が整備されなかったといえる。皆を食べさせるために無駄な仕事を作っていた、その残滓がまだまだ日本経済には残っている。意味のないブルシットジョブや補助金・助成金を早くなくして、最低賃金を1500円にあげて、高付加価値経済へのシフトや産業構造改革が必要だ。誰もがわかっているのに誰も手を付けられない、上記の政策の実行ができる政権を期待したい。


 


トップ写真:下町の鉄工所で作業する男性 出典:Photo by YOSHIE HASEGAWA/Getty Images


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