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ロシア派兵の賭けに出た金正恩

Japan In-depth / 2024年10月27日 1時0分

ロシア派兵の賭けに出た金正恩


朴斗鎮(コリア国際研究所所長)


【まとめ】


・北朝鮮がロシアに現在まで3000人余りを派兵し、12月ごろには計1万人余りを派兵すると予測。


・「朝露包括的戦略的パートナーシップ条約」による具体的行動として注目。


・北朝鮮のロシアへの派兵は、危機脱出を狙う金正恩にとって大きな賭け。


 


韓国の国家情報院(国情院)は10月18日、ウクライナ侵略のロシア軍の中に北朝鮮軍人と推定される人物が活動する写真を公開した。写真にはドネツク地域近隣にある北朝鮮版イスカンデルミサイル、すなわち「KN-23」の発射場で、ロシア軍人と並んで座っているロシア軍服装の東洋人が映し出されていた。


国情院は「我々のAI(人工知能)顔認識技術で分析した結果、この人物が、昨年8月に金正恩総書記が戦術ミサイル生産工場を訪問した際に随行した軍のミサイル技術者であることが確認された」と明らかにした。


この情報発表後、国情院は次々と北朝鮮のロシア派兵情報を公開した。


 


■ 韓国・ウクライナ・米国が北朝鮮の大規模ロシア派兵を確認


10月19日、国情院は、北朝鮮が特殊部隊「暴風軍団」の4個旅団合計1万2000人規模の兵力をウクライナ戦争に派兵することにし、すでに1500人あまりがロシア極東ウラジオストクに移動したことを確認したと発表した。そして23日には、国会情報委員会の非公開懇談会で、北朝鮮がロシアに現在まで3000人余りを派兵し、12月ごろには計1万人余りを派兵するという予測を明らかにした。派兵の報酬は、1人当たり月2000ドル(約30万円)水準だとした。


北朝鮮兵士にはウクライナ戦への参戦を隠すためロシア軍の軍服や武器が支給され、容貌が似ているヤクート人やブリヤート人の身分証が与えられ、ロシア内の多数の訓練施設に分散され、現地適応中だという。


ウクライナのゼレンスキー大統領も17日、「北朝鮮がロシア側に立ちウクライナと相対して戦う兵力1万人ほどを準備しており、一部北朝鮮軍将校はすでにロシアに一時占領されたウクライナ領内に配置された」と話した。またウクライナ軍筋は10月24日、ロシア東部の演習場で訓練を終了した北朝鮮兵約2000人が、ウクライナ国境に近いロシア西部に向けて列車などで移動していると共同通信に明らかにした。ウクライナが越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州には10月初めごろ、北朝鮮軍の士官らが先遣隊として既に到着し、受け入れ準備を進めていることも判明した。


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