あえて言う!「頑張れ石破首相」 政治の季節の隙間風 その4
Japan In-depth / 2024年10月31日 11時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「政治の季節」
【まとめ】
・総選挙後の世論調査で内閣支持率は32.1%に急落した。
・石破首相の辞任を求める声は少なく、存続を望む人が意外に多い。
・石破首相には、財政再建と社会政策を両立させる意欲が期待されている。
総選挙の続報と言うか、議席が確定した直後の世論調査の結果が、なかなか面白かった。
共同通信社が29日付で配信したもので、まず内閣支持率は32.1%。政権発足直後の50.7%から急落した。もっともこれについては、選挙前から、まだなにもしていないのに危険水域(支持率30%以下)などという声が聞かれたので、今さら「選挙前/選挙後」という話ではない。
その一方、石破首相は総選挙で与党が過半数割れとなった責任をとり、辞任すべきだとした人は28.6%にとどまり、逆に「辞任する必要はない」と答えた人が65.7%を占めた。
前回の締めくくりでも述べたが、やはり日本の有権者は断じて愚かではない。今次の与党の敗北は石破首相一人に責任が帰せられるべきものではなく、悪いのはいわゆる裏金議員だということを、正確に見ているのではないか。マスメディア、具体的には朝日新聞をはじめ、日頃は自民党寄りだと目されている読売・産経両紙までが、社説で石破首相に退陣要求を突きつけたにもかかわらず、世論はこの通りなのだ。
ただ、少しだけ補足しておくと、産経新聞の社説は「石破首相は直ちに辞職し新総裁選出を」と題されたもので、その新総裁とは具体的に誰を念頭に置いているのか、いささか気になるところではある。
それはさておき、以下はまあ、判じ物と思って読んでいただいて結構だが、私は今こそ石破首相が「開き直った者の強さ」を発揮するよう、エールを送りたい。
まず経済政策だが、すでにマスメディアが報じた内容を信じるならば、国民民主党が主張した、所得税の課税下限(現状は年収103万円)を引き上げたり、ガソリン代を下げるなど「手取りを増やす政策」を呑むことで同党を抱き込み……もとい、協調関係を築いて予算を通す算段であるらしい。ならばいっそのこと「消費性を5%に引き下げる」という政策も採り入れてはいかがか。
さすがにそれでは財政が……と思う向きもあるかも知れぬが。心配はご無用。石破首相自身が、自民党総裁選を前にして、庶民の税負担を緩和しつつ財政再建も目指せる妙案として、「金融資産への課税」というアイデアがあることを示唆したのである。これまた一部報道によればだが、経団連の上層部からも「一考に値する」との声が聞かれたとか。
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