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総選挙、だれが笑って、誰が泣いたか 損得番付:得るは失うのもと、失うは得るのもと

Japan In-depth / 2024年11月2日 19時30分

総選挙、だれが笑って、誰が泣いたか 損得番付:得るは失うのもと、失うは得るのもと




樫山幸夫(ジャーナリスト、元産経新聞論説委員長)





【まとめ】





・総選挙は連立与党の惨敗。石破首相は退陣するのが筋だが、国民民主などとの部分連合で居座るつもりらしい。





・今回の選挙最大の勝者、「得」の東正横綱は国民民主党の玉木雄一郎代表。





・「損」の主役はもちろん、石破茂総理・総裁。





 





総選挙は連立与党の惨敗に終わった。「新政権の信任を問う」と衆院の解解散理由を説明した石破首相は退陣するのが筋だが、国民民主などとの部分連合で居座るつもりらしい。





選挙中の常として、各党間、候補者間の激烈なかけひき、つばぜり合いが演じられた。





笑ったのは、そした涙を飲んだのはだれか。筆者の独断と偏見による「損得番付」でみる。









■ 玉木氏、台風の目に躍り出る





今回の選挙最大の勝者、「得」の東正横綱は文句なく国民民主党の玉木雄一郎代表だろう。選挙前から一挙に4倍増の28議席に大躍進、文字通りの大勝利だった。玉木氏自身は連立入りに消極的だが、自民党との部分連合となれば、今後の重要政策遂行でキャスチングボードをにぎり、玉木はキーパーソンとなる。トップに立ちたいとか、大臣になりたいだけといった一部にある不評を払拭し、国家・国民のため粉骨していることを示すときだろう。





■「昔の名前」返り咲き、50議席上積み





元首相、立憲民主党代表の野田佳彦は、2012年の総選挙で政権を明け渡し、多くの同僚議員を落選させた。当初は「〝昔の名前で出ています〟では・・」と殊勝なことを口にしていたが、前言を翻して代表に返り咲き、立憲民主党の議席を48と一気に50議席伸長させた。





選挙中の論戦での迫力はなかなかだった。時に石破首相らをたじたじとさせたが、自民党の腐敗追及が中心で、政策がかすんでしまった。首相返り咲きを果たしたい一心などの陰口も聞かれる。





■ 山本率いる「れいわ新選組」も3倍増





山本太郎の「れいわ新選組」も3倍増の9議席。選挙のたびに議席を伸ばしてきた。経済中心の政策が有権者の共感を呼んだが、党首として、こわもてのイメージを払しょく、ソフトな印象を与えるのも課題のひとつだろう。玉石混交、ときに問題行動を起こす所属議員をどうまとめるか。 





■ 林は「次」に望みつなぎ、岡本は公明のエースに





林、岡本はそれぞれ「次」への展望が開けた。





自民党の林芳正は、総裁選に敗れた後、安定感を買われて官房長官に留任した。今回の惨敗直後、石破首相の退陣がささやかれた際、豊富な経験から即戦力として後継候補に擬せられた。実現性はともかく、有力候補の立場を維持し続けるだろう。





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