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芝浦に木造高層ビル これからどうなる?

Japan In-depth / 2024年11月11日 19時0分

本物件は1DK、1LDK、2LDKの住戸が用意されており、特に1LDKが過半数を占める。住戸のほとんどは木造RCハイブリッド構造だが、最上階の9階には木造住戸が2戸設けられている。木造住戸では柱や梁・フローリングに天然木が採用されている。





また、木造であること以外の環境への配慮として、COMFORIAシリーズ初となる全館空調システム、「床チャンバー空調システム」が取り入れられている。このシステムは、最適な温度と湿度を自動制御するだけでなく、大気中の熱を汲み上げ熱エネルギーに転換する仕組み「ヒートポンプ」を利用している。そのため、一次エネルギー消費量は建築物省エネ法基準値に比べて28%削減しており、環境負荷を大幅に抑制している。





本物件の賃料は30万円台が中心で、最上階の木造住戸は60万円〜70万円と予定されている。現時点で全体の3割ほどの住戸を公開しており、比較的高めの賃料設定にもかかわらず、半数にはすでに申し込みが入っているという。









▲写真 9階の木造住戸 ©️Japan In-depth編集部





◼︎東急不動産の今後のビジョン





環境に配慮した賃貸レジデンスの開発に関して、東急不動産の住宅事業ユニット首都圏住宅事業本部計画第二部事業企画グループの辻香帆氏は、ハード面だけでなくソフト面でも環境への取り組みを推進していきたいとの考えを示した。





建物や家具などハード面における環境配慮が随所に見られる本物件だが、運河沿いという立地特性を活かし、居住者を対象とした、鉄炭電池の投下等による運河浄化体験活動等のイベントなども計画されている。





「環境先進」を打ち出した企業として、サステナブルを感じられる住まい作りだけでなく、そこに住む人々の環境問題への意識を高められるようなソフト面でのサービスも充実させ、環境意識をリードしていくと語った。





◼︎今後の木造賃貸物件の展望





このような木造賃貸マンションの開発を行っているのは東急不動産だけではない。三井ホームは、木造賃貸マンションシリーズ「MOCXION」を2021年から展開している。循環型資材である「木」を主要構造材に用い、「高断熱・高強度・高耐久な性能を備えた木造マンション」をテーマに、これまでに四谷三丁目や北千束などに開発を行っている。MOCXIONシリーズの第1号であるMOCXION INAGIは「国土交通省 令和2年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されたプロジェクトでもあり、持続可能な建築物のモデルケースとなっている。国としてもカーボンニュートラル(※3)に貢献する木造物件の開発を推進している中で、今後木造賃貸物件は増加していくのだろうか。鍵となるのは、やはりコストだろう。木造である分、建設に掛かる費用が高くなるため、賃料も相場に比べて割高となる。コスト面での難点に対して、「環境にやさしい」というコンセプトがどれだけ消費者の共感を集めるか。木造賃貸物件の普及は人々の環境意識にかかっている。





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