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米FERC、アマゾン向けデータセンター電力供給案件を却下

Japan In-depth / 2024年11月19日 14時8分

米FERC、アマゾン向けデータセンター電力供給案件を却下


 


【まとめ】


・米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)は、アマゾンへの電力供給の承認申請を却下。


・大規模データセンターの建設が電力網に与える負荷及び家計や事業分野へのコスト転嫁を懸念。


・AI普及に伴う大規模情報処理が課題。エッジコンピューティングの普及動向にも注目。


 


情報サービス会社であるブルームバーグによると、米国の連邦エネルギー規制委員会(FERC)は2024年11月1日、米電力会社のタレン・エナジー社(ペンシルベニア州)から出されていた、同社のサスケハナ原子力発電所の発電電力の一部をアマゾン・ドット・コムのデータセンターであるアマゾン・ウエブ・サービスに960メガワットを供給する承認申請を却下した。


人工知能(AI)の急激な普及に伴い、大規模データセンター用の電力の早期確保が課題となっている折、大規模データセンター運営業界はFERCの同承認却下への対応を迫られそうだ。


 


■ FERCは電力網に対する負荷に懸念


 


発電所や送電網の新設には数年を要するとされているが、大規模データセンター運営事業者の登場は、早期の電力供給の獲得法として期待されていた。今回の申請案件に対し、ウイリー・フィリップスFERC委員長は、‶大規模データセンターの早急な建設が、老朽化したインフラや異常気象によって、すでに余裕がなくなっている電力網に負荷を与え、家計やその他の事業分野への多大なコスト転嫁につながりかねない〟との懸念を表明した。


FERCは本来5名で構成されるが、現在は3人の委員しかいず、今回の案件を反対2、賛成1で決めたとされる。


 


■ 圧倒的に多い米国のデータセンター数


 


総務省の令和6年版「情報通信白書」によると、世界各国のデータセンター数は、2024年3月時点で、米国が5,381カ所と一番多く、欧州は各国(ドイツ、英国、フランス、オランダ、イタリア、ポーランド、スペイン)合計でも約2,100カ所。日本は219カ所と米国の4%程度とひどい状況だ。


 


世界のデータセンターの市場規模(支出額)の推移及び予測に関しては、図表1に見られるように、2020年に新型コロナウイルス感染症で工事の延期やサプライチェーンの混乱などで減少したものの、その後は増加傾向で推移。2023年に34.1兆円、2024年には36.7兆円に拡大と見られている(同白書=原典はIT分野の調査会社であるガートナー調べ)。


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