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【兵庫県知事選】SNSで加速する人権侵害と民主主義の危機

Japan In-depth / 2024年11月20日 18時16分

それにしてもなぜこの音声が立花氏に渡され、そして拡散されたのか――。それは片山氏が元局長の公用パソコンに入っていたプライベート情報について言及しようとし、それを奥谷謙一百条委員会委員長が制したからに違いない。





そもそも百条委員会理事会は7月8日、告発文書と無関係の資料について開示しないことを決議した。だから奥谷委員長は元局長のプライバシーに触れようとする片山氏の発言を制したのだが、この音声を公開することで「奥谷委員長は真相を隠している」という印象操作が可能になる。





では立花氏はその「真相」が何だと言いたいのか――。それは立花氏の政見放送で見てとれる。





「この県民局長、百条委員会で調べたところ、不倫していたんですよ、不倫。しかも10年以上もやっていた。しかもなんと、1人や2人じゃないんですよ。複数人の女性と、しかも県庁の女性職員と不倫していました。不倫ですよ。10人ですよ、10年間ですよ」。





後述するように立花氏は投票日前日、これが「10人は事実ではない」と認めることになるが、この時はそれだけではインパクトが足りないと思ったのだろう。立花氏は11月2日午前1時35分にYouTubeを配信し、不倫については「10年以上にわたって10人以上」と“レベルアップ”させた。さらに「すごい情報が入ってきました!」と前置きした上で、「自殺した県民局長さん、不倫というレベルじゃなかったという可能性が高まりました」「(元局長は)不同意性交等罪に該当する疑いが極めて高い人」「今日、確実なる情報をもらって」「実は証拠はパソコンに全部入っている」と述べ、「副知事はパソコンの中身を全部見ている、証拠としてとっている」と断言した上で、「人事課が全部ちゃんとプリントアウトしてファイルにしている」と付け加えた。





あたかも片山前副知事が不同意性交等罪の“事実”を知っているかのようだ。ちなみに同罪は2023年の刑法改正で、かつての「強制性交等罪」と「準強制性交等罪」を一本化したもので、法定刑は「5年以上の有期懲役」と重く、公訴時効は15年となっている。





仮に不同意性交等罪に該当する行為があったとしたら、少なくとも3月21日に斎藤知事から「徹底的に調査しろ」と命じられた片山副知事は、その事実を知っていることになり、刑事訴訟法第239条第2項に基づく告発義務が生じる。また同罪は非親告罪なので、犯罪成立に“被害者”からの告訴は必要ない。さらに公訴時効にもかかっていない。





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