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トランプ氏はなぜ勝ったのか ドーク教授の分析 その3 オバマ氏の大きな影響

Japan In-depth / 2024年12月2日 11時9分

トランプ氏はなぜ勝ったのか ドーク教授の分析 その3 オバマ氏の大きな影響


古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視」


 


【まとめ】


・トランプ氏の2016年勝利はオバマ政権のリベラル政策への反発の結果とされる。


・オバマ政権の変革は主に文化面で顕著であり、特に性的志向や結婚、家族に関する分野で大きな変化が見られた。


・トランプ氏の勝利は一時的にリベラル基調を抑えたが、リベラルな流れは依然として続いている。


 


古森義久「ドナルド・トランプ氏の勝利の意味を考えるとき、バラク・オバマ大統領の統治について考えることは、理にかなっていると私も思います。トランプ氏の2016年の勝利はたぶんに前任者のオバマ大統領がアメリカ全体をリベラル方向へと画期的に引っ張っていってしまったことへの多数の国民の反発の結果だったといえるからです。」


 


ケビン・ドーク「そうですね。先に紹介した著名な政治学者のポール・ケンゴール教授は2期8年間にわたったオバマ大統領の統治を振り返って、『オバマ氏は同氏自身が約束したようにアメリカ合衆国を根本的に変革しただろうか』という疑問を提起しました。この問いに対するケンゴール教授の答えは『絶対にイエス』でした。ただし『オバマ氏の大統領就任の直前の2008年の時点で多くの国民が望んだ、あるいは恐れた分野では根本的な変革は起きなかった』というのです。それはどんな領域だったかというと、政府の役割、税金制度、政府による規制、経済、教育などでした。


こうした領域に関する大多数の国民の態度は根本的な変革ではなかった。オバマ大統領が立法措置でかなりの実績を達成した医療保険に関しても大多数の国民の態度はそれまでとほとんど変わりませんでした。 


オバマ大統領の外交政策に対しても国民の側の態度の大きな変化はありませんでした。オバマ大統領は東欧から中東にかけてきわめて有害な外交政策を実行していたにも、かかわらず、でした。 


現実にはその時代に起きた真の根本的な変革は文化、とくに性的な志向、結婚と家族というような分野で起きたのです。その面での変化は前例のないものであり、8年前までの当時のすべての人の想像をはるかに超えた変化でした。こういう認識がケンゴール教授の評価であり、私もそれは正しいと思います」


 


古森「オバマ政権時代に起きた変革はアメリカ国民多数派の態度としては特定の領域に限られていたが、しかしその基底は広く深かったということでしょうか。その変革の流れはそれまでも続いていて、その後も続いてきた、ということですね」


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