国連幻想を解析する(上)日本への不当な干渉
Japan In-depth / 2025年1月12日 10時17分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・2025年、国際情勢変動の中、日本は対外関係の重要性を増している。
・日本には国連過大評価の「国連幻想」があり、不当な干渉を受けている。
・過去の事例から、国連への過度な依存を見直すべき。
新しい年、2025年、アメリカでのドナルド・トランプ大統領の再登場によって、世界は新たな波乱と変動を迎えるだろう。その動きは決して悪い方向にではないことを望みたい。2024年までの国際情勢はバイデン政権下でのアメリカの影響力、抑止力の衰えで反米専制国家群の膨張が目立った。この傾向に対してトランプ大統領は「アメリカの力による平和」策を唱え、明らかに反米勢力に対してその危険な動きを抑えにかかるという姿勢をみせている。
日本をめぐる国際情勢も厳しい。中国の大軍拡と日本領土の奪取の動き、北朝鮮の核兵器やミサイルの開発の継続、ロシアがその北朝鮮と提携し、日本へも敵対姿勢をみせるという新たな脅威・・・安全保障の環境は危機ともいえる厳しさなのだ。そんな情勢下で日本はまず同盟国のアメリカとの絆の強化を確認しなければならない。
同時に他の関係諸国や国際機関とも円滑な連携を保たねばならない。要するに日本にとって対外関係がかつてない重要性を増す新たな年なのである。
その日本の対外関係については日本の内部には国連信奉という危険な傾向がある。国際連合の実態を過大に評価し、その影響力や動向をこれまた過大に受け止めるという錯誤である。日本のこの国連に対する過度の依存や評価は国連幻想と呼んでもよいほどだ。
ではなにがどうして幻想なのか。私の長年の国連との接触や考察を土台にして、最近の国連による日本への新たな動きを検証しながら、その日本側の幻想を解析してみよう。
国連がまた日本に不当な干渉をしてきた。2024年10月末のことだった。こんどは日本の皇位継承への反対だった――
「また」と強調するのは、国連はかつて日本の慰安婦問題でクマラスワミ勧告として介入をした。ケイという国連特別報告者が日本の報道の自由について干渉した。ケナタッチという別の国連特別報告者は日本政府が進めていたテロ準備罪の法案に反対した。
そして今回は日本の皇室の男系維持の継承に対する不当な反対という干渉なのである。「不当」と強調するのは、この種の干渉がみな事実に基づかず、特定の政治意図に露骨に彩られてきたからだ。スリランカ出身の女性問題活動家ラディカ・クマラスワミ氏が1996年にまとめた報告書は日本の慰安婦問題について吉田清治捏造証言を資料に使い、日本の当局が一般女性を組織的、政策的に強制連行したと虚構を伝えていた。
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