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国連幻想を解析する(上)日本への不当な干渉

Japan In-depth / 2025年1月12日 10時17分

アメリカ人学者のデービッド・ケイという人物が2016年の短期の来日でまとめた報告書は「日本には報道の自由がない」と決めつけていた。同時期にマルタ出身のIT専門家ジョセフ・ケナタッチ氏も国連特別報告者として日本の法案の「テロ組織」という用語を誤認して法案全体を言論弾圧だと非難した。





もはやお笑いの範囲ともなった事例では2015年に来日した国連特別報告者のオランダ人女性は「日本の女子生徒の13%がセックスの援助交際をしている」というデタラメの発表をした。





今回、「日本の皇位が男性皇族で継承されるのは女性差別撤廃条約に反する」として皇室典範の改正を勧告してきたのは国連の女性差別撤廃委員会という組織である。この委員会は国連総会が採択し、日本政府も1985年に批准した女子差別撤廃条約に基づき、創設された。国連加盟各国から合計23人の委員が任命され、日本からも亜細亜大学の秋月弘子教授が加わっている。





この女子差別撤廃委員会は国連人権理事会によって任命される特別報告者と似たような地位にある。そのメンバーたちの個人的な意見に立脚し、その「勧告」は国連自体の意見ではなく、強制力もない。





日本政府は今回の勧告にすぐに反発した。





「日本という主権国家の独自の歴史や伝統、価値観に立つ皇室制度を一般の人権問題と同じに扱うことはきわめて不当だ」という趣旨である。確かに日本をよく知りもしない外国の代表、しかも国連という権限や権威があるようで実はない欠陥だらけの国際機関にわが日本の国の象徴、国民の統合の象徴たる天皇のあり方を指図されることは、あまりに理不尽である。





この際、こうした理不尽な言動に出る国際連合という組織への改めての現実的な視線を向けるべきだろう。この種の不当な干渉には単に抗議や反対だけではなく、国連への資金供与の制限や特定の国連機関のボイコットという実効ある措置をも考えるべきである。そうした強固な態度こそが国連自体の健全化にもつながるのだ。





最近の国連の特定な政治偏向はあまりにも過激となってきた。イスラエルとハマスとの戦いで国連のパレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)がハマスの戦闘支援までしていたというイスラエル政府の主張は注目に値する。





そもそも国連は全体としてイスラエルに厳しく、アラブ諸国に甘い傾向がある。だが今回はその国連機関がハマスのイスラエル奇襲攻撃にまで加担していたとイスラエル議会が公式に言明したのだ。





そんな国連が日本に対して、文字通りの上からの目線で皇室のあり方に文句をつける。一体、国連とは何様なのか。国連の実態を踏みこんで点検すると、何様でもないのだ、という答えも出てくる。





(中につづく)





*この記事は月刊雑誌WILLの2025年1月号に掲載された古森義久氏の論文を一部、書き直しての転載です。





トップ写真:国連子どもと武力紛争担当事務総長特別代表(当時)ラディカ・クマラスワミ氏(2011年5月17日アメリカ・ニューヨーク)出典:Jamie McCarthy/WireImage




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