東京外かく環状道路 東名JCT 地中拡幅工事まもなく開始
Japan In-depth / 2025年1月12日 22時55分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・外環は、都心を通らず郊外移動でき、都心部渋滞緩和が期待される。
・未開通区間完成で3環状道路が繋がり、輸送時間が短縮され、コスト削減、物流効率向上。
・東名JCTはトンネル交差・接続のため拡幅工事が1月下旬から開始予定。
東京外かく環状道路、通称「外環(がいかん)」というものがある。首都圏の人にはなじみがあるが、他県の人には知られていないかもしれない。しかし、この地域の物流にとっては重要な道路だ。
■ 外環の機能
外環は、東京都心部から半径約15kmの圏域を環状に連絡する全長約85kmの幹線道路だ。首都圏の交通渋滞緩和と円滑な交通ネットワーク構築を目的とし、首都圏の高速道路計画「3環状9放射」の一部を構成している。首都高速中央環状線、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)と合わせて「首都圏3環状道路」と称される。首都圏の主要都市を結ぶ環状道路の一つで、都心を通らずに郊外を移動することができるため、都心部を通る首都高速などの渋滞緩和効果が期待されている。
約50kmが開通済だが、関越自動車道から東名高速道路までの約16kmが未開通だ。この区間は、環境への影響を考慮して、高架方式から地下方式に変更され、事業が進行中だ。
▲図 外環計画概要 出典:国土交通省東京外かく環状国道事務所
この関越自動車道から東名高速道路の未開通部分がとりわけ重要なのは、この未開通区間が完成すると3環状道路が完全に繋がり、都心部を通過する必要がなくなるため、都内の交通渋滞の緩和に大きく貢献するからだ。
トラックなどが都心部を迂回できるようになれば、輸送時間が短縮され、大幅にコストを削減でき、物流効率が大幅に向上するほか、企業活動の効率化や地域経済の活性化にも繋がる。
この未開通区間を平面図で見てみると以下のようになる。期待が大きい外環だが、2020年10月、東京都調布市東つつじヶ丘でトンネル工事に起因する地盤陥没事故が発生した。その後、原因究明と再発防止策が検討され、地盤改良工事が行われており、現在、この区間の工事は一時中断している。
▲図 外環(関越道~東名高速)の計画概要 出典:国土交通省東京外かく環状国道事務所
■ 東名JCT地中拡幅部の現状
とはいっても工事が中断しているのは一部で、東名JCT(ジャンクション)などでは地中拡幅工事が進行中だ。今回、現場を見学する機会があったので取材した。
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