リベラル左派の将来は暗い?!
Japan In-depth / 2025年1月27日 22時33分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・トランプ氏の再登場により、米国内外で政策や情勢が大きく変化。
・保守主義の台頭に伴い、進歩派は重税や規制が批判され支持を失いつつある。
・米欧では一般国民に直接に訴える本来の「大衆直訴主義」としてポピュリズムの政治主導が効果を上げてきた。
アメリカに共和党保守派のドナルド・トランプ氏が第47代の大統領として登場してまだわずか1週間ほど、それでもアメリカ国内でも国際情勢でも、トランプ氏の新政策が目にみえる形で大きな変化を起こしている。
アメリカ国内では大量な不法入国者たちの国外への追放、男女の性別を認めないようなLGBT文化の抑制、エネルギー利用での石油やガス、石炭などの大復活など、国際面ではトランプ氏の「力による平和」を基礎とする強固な姿勢でのイスラエルとハマスの停戦実現、ウクライナ戦争でのロシアのプーチン大統領の軟化傾向、中国首脳部のトランプ新政権への融和姿勢、そしてその余波としての中国の日本への微笑外交などなど・・・
アメリカ国内も、世界情勢もトランプ大統領の再登場で大きく変わり始めたことは否定のしようがない。しかもその変化の方向が混乱や低迷を減らし、健全な秩序や期待の回復へ、というふうにみえるのだ。もちろんまだまだ全体の帰趨はわからない。なにしろトランプ氏の保守主義統治は始まったばかりなのだ。
しかしアメリカ大統領の選挙までは、トランプ氏には酷評が浴びせられていた。アメリカでも日本でもそうだった。「トランプ氏は民主主義への脅威」「トランプ氏は同盟関係を放棄して、孤立主義の道を歩む」「トランプ氏はウソつきで、ヒトラーと同じ」・・・
こんな言辞が「識者」たちからぶつけられていたのだ。
しかし選挙の結果自体がトランプ氏の勝利だった。アメリカ国民の多数派はそんなトランプ氏への悪口雑言を排したのだ。そしてトランプ氏を叩いてきた民主党リベラル左派へのノーを明示したわけである。その結果、そのリベラル左派から自分たちの推進してきた思想や統治への暗い見通しが語られるようになった。
トランプ氏が圧勝したいま、その反トランプ陣営の論客から「進歩的とされてきた左派の政治勢力こそが真の危機に瀕しているのだ」という警告が発せられたのである。
左派の挫折の自認とも呼べるこの見解を発表したのはリベラル派の著名な評論家ファリード・ザカリア氏だった。ニューズウイーク誌国際版の編集長を経て、ワシントン・ポストのコラムニストなどとなったザカリア氏は1月4日付の同紙にこの論評を発表した。
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