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【エンタがビタミン♪】<二階堂ふみロングインタビュー>70年前の女性役を体当りで。“孤独と戦い続けた撮影現場”を振り返る。

TechinsightJapan / 2015年8月3日 21時55分



■語尾、声の性質を変え、昔の美しい言葉を生かす。セリフと仕草は徹底的に作りこんだ。
―戦時下を生きる“里子”という女性を演じる上で、どのように里子に近づいていったのでしょうか?
二階堂:セリフまわしと仕草は作りこんだんですよね。脚本に美しい言葉があったので、それを映像の中で生かしたいと思いました。逆にそうすることでセリフに重みや説得力が出て、その時代を生きている女性の重みを持たせることができました。またセットや衣装も含め、現代のしゃべり方になるとセリフの印象が変わってしまう気がして、鼻濁音を入れたり、語尾や声の質を普段のしゃべり方と変えることは徹底してやっていましたね。



里子というキャラクターを作る上で“等身大であること”が重要だと語る二階堂にとって、撮影中に自身が19歳から20歳になったことも大きかった。脚本家でもある荒井監督の脚本は、話さなくても見れば答えが書かれている。現場での空気感や長谷川博己演じる市毛との距離感の中で里子の思いを作っていったところも大きく、セットに入って髪をまとめ、メイクをすると自然に里子になれたのではと語る。

■独りで戦う孤独感。
―あの時代に外からも内からも抑制されて、内に“マグマ”を秘めているような女性を演じる上での苦労などはありましたか?
二階堂:苦労というか夜、市毛の家で2人きりになるシーンは、2人が向かい合っているように見えるけれど実は全然違う方向を向いている男女を表現しなければならなくて。その時は独りで戦わなければいけないという思いから、ちょっとした孤独感がありました。独りで戦った結果がスクリーンに出ていた気はしたので、そういうのも含めて里子は独りなんだなと感じました。



■監督もこだわった、“食べることが生きること”。
―長谷川さんがお酌で水を飲むシーン、トマトにかぶりつくシーン、二階堂さんがおにぎりを頬張るシーンなど、本作は食べるシーンがとても官能的に描かれています。一番印象に残ったシーンを教えて下さい。
二階堂:おにぎりなど撮影で使う料理は全て太秦の美術の方が作って下さり、すごく美味しかったんですよね。どの食事のシーンも愛情がこもっていて、それがすごく美味しかったです。食べることと生きることが繋がっていたので、いいシーンだったと思います。戦争映画でこんなに食べていいものなのか?って現場で見た人に言われたりもしました。でもそういう時もあったみたいで、むしろ人々が食料をうまく手に入れるために、この時代にも僻みや妬みがあったんですよね。人間って食べないと生きていけないし、そういうものが密接じゃないですか? 全然食べるシーンがなかったりすると、逆に“この人たちどうやって生き延びているんだろう”という気持ちになるし、食べることに里子の生きようとしている姿が出ているのかな。神社でポロポロこぼした米を拾って食べたり、お米を集めたりするシーンは、“この子は生きている、里子は生きようとしている”と実感できました。監督もすごくこだわっていたところではないでしょうか。

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