【海外発!Breaking News】歯の痛みで偽医師により抜歯した男性、後に口腔がんが発覚(パキスタン)
TechinsightJapan / 2018年7月4日 5時0分
歯が痛み、友人が勧める歯科医院で抜歯した男性。しかしその歯科医は無資格者で、後に男性は口腔がんであることが発覚した。現在、余命幾ばくもない男性は自宅ベッドの上で最期の日々を家族と過ごしているという。『Storytrender』などが伝えている。
パキスタンのシンド州カラチのランジーに暮らす大工職人ムハンマド・ファルークさん(21歳)は、1本の歯が激しく痛んだことから、友人の勧めで他の歯科医院よりもかなり安く治療してくれるクリニックを訪れた。クリニックの医師は、2,000パキスタンルピー(約1,820円)でファルークさんの抜歯手術を行った。しかし当時は、この医師が偽医者であることなど友人もファルークさんも全く知らなかった。
抜歯から8か月ほど経った頃、ファルークさんの顎が腫れ始めた。最初は気にしていなかったファルークさんだったが、次第に腫れが大きくなり激しい痛みを伴うようになったため家族が政府運営の病院へ連れて行くと、複数の検査の結果、口腔がんであることが発覚した。長兄のムハンマド=ファーハッド・ヌールさんはこのように話している。
「弟ががんだと知って家族一同ショックを受けました。なぜ、弟は数百ルピーを節約するためにあのクリニックへ行ってしまったのかと信じられない気持ちになりました。弟は今、話すことや身動きすることもできず、固形の食べ物を受け付けずに私たちが流動食を与えているだけです。」
ファルークさんが抜歯をしたクリニックへ家族が出向くと、その店舗は美容院に変わっていたという。カラチでは不衛生な器具を使い、違法で歯科医院を開業する者があとを絶たず、ファルークさんに抜歯手術をした医師も無資格者だったようだ。家族は州が運営する複数の病院へ出向き、その苦情を訴えてファルークさんを入院させてほしいと願い出た。しかし既に末期の口腔がんであることを知った医師らは、余命僅かのファルークさんに痛みを伴う化学療法をする意味はないと伝え、痛みを緩和させて炎症を抑える薬を指示したのみで入院治療は受け入れてもらえなかった。
カラチにある「Dr. Ruth Pfau Hospital(ドクター ルース・ファウ病院)」のがん専門医学長ヌール=ムハンマド・ソームロ医師は、ファルークさんががんになったのは「不衛生な器具を使用した偽歯科医院の抜歯手術が炎症を起こしたこと、もしくは喫煙の習慣があったことが原因」としているようだが、英口腔衛生財団の理事長を務めるナイジェル・カーター医師は「患者がこのような状態になった原因を突き詰めることはできないが、抜歯後に感染症を患い口腔がんになったかどうかは分からない。数か月前の歯の痛みは口腔がんによるものだったと考えるほうが自然だろう。また、口腔がん患者の4人中3人はタバコが原因と言われている」と述べている。
しかし顔にあるがんが大きく腫れあがりながらも、なす術もない息子を抱える母のラジア・ヌールさんは「ファルークは日々、病と闘っています。私は政府とパキスタンの警察に偽医者の取り締まりをするように頼みました。そうすれば息子のような目に遭う人が減り、命も救われるのです」と語っている。
画像は『Storytrender 2018年6月29日付「Man has last stage mouth cancer, face swollen to almost the size of head after getting tooth removed from a “Fake” dentist」(ANAS HAMDANI/ CATERS NEWS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
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