【海外発!Breaking News】死を覚悟した肝臓の腫瘍 実は10年超も潜伏した寄生虫だった(カナダ)
TechinsightJapan / 2020年2月19日 5時50分
肝臓がんによりもって5年の命と宣告された36歳の女性が腫瘍の摘出手術後、医師から意外な病名を告げられた。肝臓にできた塊は多包条虫と呼ばれる寄生虫に感染してできたもので、女性は「多包性エキノコックス症」という感染症を患っていたのだ。『The Sun』『TODAY』などが伝えている。
カナダ西部アルバータ州エドモントン在住のキャシディ・アームストロングさん(Cassidy Armstrong、36)は昨秋、肝臓がんで余命2~5年と医師から告げられた。
キャシディさんは2年前、右胸郭の鈍い痛みで一度検査を受けていたが、血液検査やレントゲンで異常は見られず、痛みも酷くなかったことからそのまま放置していた。しかしキャシディさんの体重はここ1年で11キロ強も落ち、不眠や貧血にも悩まされ、右胸郭部に鋭い痛みを感じるようになっていた。
胆石だと信じて訪れた病院で、キャシディさんは医師から「肝臓にグレープフルーツ大の腫瘍があります。40代以下に発生する極めて珍しい『原発性肝臓がん』と思われます」と宣告されショックを受けた。死を覚悟しながらもキャシディさんは昨年11月27日、腫瘍の摘出手術に臨んだ。
手術では腫瘍が肝臓以外にも広がっていることが判明し、医師は肝臓の65%と胆嚢を摘出、また肺や横隔膜にできていた嚢胞を切除した。キャシディさんの胸にはL字型に35センチもの傷痕が残ったが、手術から2日後にショッキングな事実が明らかになった。キャシディさんは、医師から「あなたはがんではなく、非常に珍しい寄生虫に感染しています。多包性エキノコックス症で身体の中に10~15年ほど寄生していたと思われます」と告げられたのだ。キャシディさんは、その時のことをこのように振り返る。
「突然の告知で、頭の中が真っ白になりました。それで医師に『それって良いことなのですか?』と聞いたのです。すると『最初の診断に比べたら、ずっといいですよ。肝臓がんで命を落としてしまうことはなくなったんだからね』と返事がありました。寄生虫への感染という衝撃的な事実と、生きることができるという嬉しさと、とても複雑な気持ちに襲われました。」
感染症専門家で多包性エキノコックス症に詳しいアルバータ大学のスタン・ヒューストン医師は、この珍しい感染症について次のように述べている。
「カナダで多包性エキノコックス症の人間への感染が初めて確認されたのは2013年で、アルバータ州ではキャシディさんが16番目の患者です。キツネや犬が多包条虫という寄生虫に感染し、糞便と一緒に排泄された虫卵が人間の体内に入ることで重い肝機能障害を起こすのです。いったん多包条虫が身体に入ると、嚢胞を作って次々に全身の臓器に転移します。キャシディさんの病巣は今まで見た中で最も大きなものの1つです。手術で全て摘出できたかはわからないため、一生抗駆除薬を飲み続けなければならないかもしれません。今後は月に1回の血液検査と6か月毎のCTスキャンを行い、経過観察をしていく必要があるでしょう。」
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