【海外発!Breaking News】妊娠5か月で中絶した母親 胎児が生きて娩出し、鼓動が止まるまで見守り続けた苦悩語る(英)
TechinsightJapan / 2021年5月24日 4時0分
イギリスで第4子を妊娠した母親が、胎児に染色体異常が見つかったことでやむなく中絶をすることを決意した。その胎児は死亡した状態で母体から娩出されるはずだったが、生きてこの世に誕生したという。小さな我が子が生まれてから亡くなるまで数時間を共にした母親の心境を『Mirror』『The Daily Star』などが伝えている。
英ランカシャー州ブラックバーン在住のロラン・デニソンさん(Loran Denison、27)は、パートナーのスコット・ワトソンさん(Scott Watson、35)との間に4人目の子供を妊娠した。
お腹の子が男の子と分かったロランさんとスコットさんは喜び、新しい家族の誕生を待ちわびていた。しかし妊娠15週の検査で、胎児が染色体異常による「エドワーズ症候群(18トリソミー)」と判明した。
この疾患は女児に多く、男児の場合は流産する確率が高いという。また『The Daily Star』によると、無事に誕生したとしても生後1年の生存率は13パーセントほどとのことだ。
ロランさんとスコットさんは医師に「生きて誕生する可能性は著しく低い」と言われ、苦渋の決断の末に中絶することにした。そして妊娠18週(妊娠5か月)に差しかかった4月6日に妊娠の進行を止めるための薬を服用し、人工的に出産を誘発させて亡くなった胎児を母体から娩出する予定だった。
ところが4月9日の午後3時50分、ロランさんから娩出された男児は体重約150グラムで生きていたのだ。すでに息子の名前を「キヨブルー(Kiyo Bleu)」と決めていたロランさんとスコットさんは、小さな息子のために病院で出産を祝福し洗礼を受けさせた。
しかし2人は医師から「この子の鼓動は30分もすれば止まってしまう」と告げられたそうだ。ロランさんは息子に会えた嬉しさと裏腹に、このまま死を待つことしかできない状況に大きな苦悩を抱くこととなった。
そして誕生から10時間後、小さな命はその短すぎる生涯を終えた。ロランさんは今回の経験を次のように語っている。
「この子と少しでも一緒にいられたことを嬉しく思っていますが、本当にあの時は苦しい思いをしました。息子は典型的なエドワーズ症候群だったため『生まれる前、もしくは生まれた直後には亡くなってしまうだろう』と言われました。でも私の息子はライオンのような強い心臓を持っていたのです。」
「中絶を決断した時に、なんという苦しい思いをする選択をしたんだろうと思っていましたが、今はその10倍も辛く感じます。そして同じようなことを他の母親には味わって欲しくないのです。」
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