【海外発!Breaking News】海で遭難し1か月漂流した男性「コロナのこと聞かずいい息抜きになった」(ソロモン諸島)
TechinsightJapan / 2021年10月13日 6時0分
今月2日午前9時、海上を1か月漂流していたソロモン諸島在住の男性2人が、隣国パプアニューギニアで救助された。持ち合わせていた少量の食料や雨水で凌いでいたそうで、1か月間の苦しい漂流生活の詳細を『The Guardian』などが伝えているが、男性たちは「いい息抜きになったよ」とポジティブなコメントを残しているという。
南太平洋に浮かぶ大小1000を超える島々から成る国、ソロモン諸島在住のリヴァイ・ナンジカナさん(Livae Nanjikana)とジュニア・コロニさん(Junior Qoloni)は先月3日、60馬力のエンジンを1つ搭載した小型モーターボートで同国モノ島を出発した。
2人はモノ島から南東へ約200キロの距離にあるニュー・ジョージア島のノロという港町を目指した。2人が航海しようとしていたソロモン海は、荒れていて予測不可能な海域として知られており、経験豊富な船乗りにとっても航海するのは難しいという。
リヴァイさんとジュニアさんは長年船に乗ってきた熟練者であり、「以前にも同じ航路を辿ったことがある」と話していた。2人は目的地までの途中にあるベラ・ラベラ島とギゾ島という2つの島を目印に船を進める計画を立て、自信を持って出発した。
ところが航海を始めてから数時間後、空が厚く暗い雲に覆われ、大雨や強風が吹き荒れる悪天候に見舞われてしまったという。一時的なものであればよかったがこの悪天候は1時間も続いたといい、ボートに搭載していたGPSトラッカーのバッテリーが切れてしまった。さらに激しい雨のせいで目印にしていた海岸線を見失い、2人は現在地が分からなくなった。
リヴァイさんは「天気が悪くなってしまったときも酷い状況だったのですが、GPSが壊れたときはもっとひどく、怖くなってきました。どこに向かっているのかも分からなくなり、到着予定時刻が過ぎていたので燃料節約のためにエンジンを止めて待つことにしました」と当時を振り返る。
それから9日間、2人はボートに積んでいたオレンジを食べて飢えをしのいだ。そしてオレンジが無くなると船の帆を広げて雨水を溜め、海の上に浮かんでいるココナッツを見つけて拾い、持っていた小さな斧や船の錨を使って中身を取り出して食べていた。そしてリヴァイさんたちは、昼も夜も神に祈りを捧げて漂流中の時間を過ごした。
来る日も来る日も周囲に海岸線や島の影は見えず、2人は徐々に衰弱していったという。それでも気力を保って漂流し続けていると「神様が“帆を張るための器具を作る”というアイディアをくださいました」とリヴァイさんは話す。
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