【海外発!Breaking News】冤罪で32年服役した65歳男性、17億円超で和解成立も「奪われた年月は返ってこない」(米)<動画あり>
TechinsightJapan / 2023年5月8日 21時0分
米マサチューセッツ州で今月3日、1982年に放火及び殺人罪で誤認逮捕され32年間服役した男性に対し、17億円超の賠償金が支払われることが決定した。2014年に釈放された男性は、2019年に同州ローウェル市に対して訴訟を起こしており、このたび和解が成立した。英ニュースメディア『UNILAD』などが伝えた。
プエルトリコ出身のヴィクター・ロザリオさん(Victor Rosario、65)は1982年11月、米マサチューセッツ州ローウェル市のアパートに放火し、子供5人を含む8人の命を奪ったとして逮捕された。ヴィクターさんは当時、24歳だった。
ヴィクターさんは32年間の服役を経た2014年、有罪判決が破棄されて釈放され、2017年には州最高裁判所によって無罪が確定。2019年にローウェル市に対して訴訟を起こしていた。
そして今月3日、事件から40年以上を経て、ボストン連邦裁判所が市に対して賠償金17億5千万円超(1300万ドル)の支払いを決定した。これは米国北東部の6州(メイン、ニューハンプシャー、マサチューセッツ、ロードアイランド、コネチカット、バーモント)を含むニューイングランド地方での史上最高額だという。
ヴィクターさんは3日午後、24歳当時の自身の写真を引き伸ばしたポスターの横に立って「私は自由になった」と叫び、「今日、これまでのチャプターは幕を閉じ、私の新しい人生のチャプターが始まる」と語った。そして「たとえ何があったとしても、奪われた年月の埋め合わせをすることはできない」と続け、このような過ちを二度と繰り返さないよう最善の努力を尽くして欲しいと訴えた。
なおヴィクターさんの弁護士マーク・ロイヴィー=レイヤス氏(Mark Loevy-Reyes)はこの事件について、次のように主張していた。
「火災発生時、ヴィクターさんは燃え盛るアパートに閉じ込められた人々を助けようと現場に駆けつけたにもかかわらず、当局は火事から数時間後、彼を放火と殺人の疑いで逮捕した。火災が放火であったという証拠は一切なかったにもかかわらず、当局は証拠を捏造、隠滅し、ヴィクターさんを犯人に仕立て上げた。全ては事件解決を急ぐためだった。」
一方で、英語が母国語ではなかったヴィクターさんは「私は目でコミュニケーションを取り、無罪を主張したが、誰も信じてくれなかった」と当時のことを語っており、マーク氏は事件の背景について、こう説明した。
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