モザンビーク、大統領選と国会議員選で与党勝利が確定(モザンビーク)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月14日 10時20分
モザンビーク憲法評議会(CC)は12月23日、投票が10月9日に行われた大統領と国会議員、州議会議員の選挙の最終結果を発表した。10月24日に選挙管理委員会(CNE)が発表した公式集計結果(2024年10月30日記事参照)から小幅修正にとどまり、大統領選では、与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO)が擁立したダニエル・チャポ氏が勝利した(得票率65.17%、有効得票441万6,306票)。国会議員選でも、FRELIMOが議席の過半数(171議席)を獲得した。民衆の支持を集め、与党による選挙不正を糾弾する抗議活動を主導しているベナンシオ・モンドラーネ大統領候補は、得票率24.19%(有効得票163万9,333票)にとどまった。
現地報道によると、最終結果発表の直後から、モザンビーク各地では結果を不服とするモンドラーネ氏の支持者らが抗議活動を展開し、商業施設に対する破壊活動や略奪などを伴う暴力活動が散見される状態が数日間続いた。特に12月25日にマプト首都圏の刑務所で発生した収監者約1,500人の大規模脱走は、国外メディアでも取り上げられるとともに、首都圏の市民に大きな動揺を与え、市民らが地域ごとに自主的な夜警団を結成するなど、安全確保を余儀なくされた。モザンビーク刑務所局によると、脱走した囚人のうち1月2日時点で322人が再逮捕されている(「クラブ・オブ・モザンビーク」2025年1月2日)。
安全のためモザンビーク国外に滞在していたモンドラーネ氏は1月9日にモザンビークに帰国した。マプト国際空港で取材に応じた同氏は、自身こそが民衆に選ばれた大統領との立場を表明し、警察の護衛と帰国を喜ぶ多数の群衆に囲まれながら、市内へ移動した。マプト市内では同氏の出迎えに集まった数百人の支持者と治安部隊が衝突し、支持者側に数名の死傷者が出た。
同日、在モザンビーク日本大使館は2024年から在留邦人や旅行者に対して、引き続き不要不急の外出は控えるよう注意喚起を発出している。また、日本の外務省は12月27日付で、カーボデルガード州(レベル3地域)を除くモザンビーク全土の危険レベルを1から2(不要不急の渡航禁止)に引き上げた。
抗議活動に便乗して暴徒化した民衆が襲撃・略奪したマトーラ市内ガソリンスタンド。給油機や事務所が被害に(2024年12月31日、ジェトロ撮影)
(松永篤)
(モザンビーク)
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