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IMF、ロシアの2024年、2025年経済見通しを上方修正(ロシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月24日 0時15分

IMFは1月17日、世界経済見通しを発表した。ロシアの実質GDP成長率について、2024年は3.8%、2025年は1.4%になると予測している。前回見通し(2024年10月25日記事参照)と比較して、2024年は0.2ポイント、2025年は0.1ポイント、それぞれ上方修正した。2026年の成長率は1.2%と発表した。

IMFのピエール・オリビエ・グランシャ経済顧問兼調査局長は記者会見で、2024年の上方修正の理由について、「予想以上に力強いデータが得られたため」と説明した。IMFによる2025年の見通しは、9月のロシア経済発展省の見通しを下回り、10月のロシア中央銀行の見通しの範囲内に収まる。中銀が10月25日に発表した中期予測は7月と変わらず、2024年の実質GDP成長率は3.5~4.0%、2025年は0.5~1.5%、2026年は1.0~2.0%としている。

一方、2025年以降のロシア経済は、2024年と比べて大幅に減速する見通しだ。グランシェ氏は減速する理由の1つとして、ロシア経済が過熱している点を挙げた。「戦時経済」の下で戦争資金に投入される多額の公共支出がインフレを引き起こしている。インフレ抑制のため、中銀が政策金利を21%に引き上げており(2024年12月26日記事参照)、これが今後の経済活動に重くのしかかると見込んでいる。2024年のインフレ率は8.3%、実際には9%以上に達しているという。

世界銀行は1月16日に発表した世界経済見通し(2025年1月20日記事参照)の中で、2024年のロシアの実質GDP成長率を3.4%、2025年は1.6%、2026年は1.1%と予測した。2024年10月に世界銀行が発表した欧州・中央アジア経済見通しと比較して、2024年は0.2ポイント上方修正し、2025年、2026年は据え置いた。その理由として、賃金上昇率の減速と金融政策の引き締めにより、民間消費と投資の拡大が緩やかになることを挙げた。また、ロシアの成長が予測を下回る場合、ロシアから中央アジアや南コーカサス地域への送金が減少し、この地域に大きな影響を与える可能性があると指摘した。

他方、ロシアのアレクサンドル・ノワク副首相は国営テレビで、2025年の経済成長率は2~2.5%になると述べた。投資は前年比約2%増になる見込みで、前向きな兆候と評価した(「インターファクス通信」2024年12月25日)。

(調査部欧州課)

(ロシア)

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