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商務部、タングステン、テルル、ビスマス、モリブデン、インジウム関連品目に対する輸出管理を決定(中国、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月4日 16時20分

中国商務部と海関総署は2月4日、「輸出管理法」「対外貿易法」「税関法」「両用品目輸出管理条例」に基づき、タングステン、テルル、ビスマス、モリブデン、インジウムの関連品目に対して輸出管理を実施する旨の公告を発表した(注1、注2)。同公告は即日実施され、両用品目輸出管理リストも同公告に基づき更新されるとした。

輸出者が上記の関連品目を輸出する場合、輸出管理法および両用品目輸出管理条例に基づき、国務院商務主管部門(商務部)に対する申請と許可取得が必要になる。

同日発表された商務部報道官談話では、タングステンなど関連品目に対する輸出管理はグローバルスタンダードだと指摘した。また、中国はタングステンなど関連品目の主要な産出・輸出国として、国家安全および利益を維持する必要性から法に基づき特定の関連品目に輸出管理を実施しているとした上で、今回の品目追加は同目的や拡散防止など国際的な義務履行、世界の産業・サプライチェーンの安全と安定にも寄与するものであり、規定を満たす輸出であれば許可は交付されると説明している。

国務院は2024年10月19日、両用品目輸出管理条例(2024年11月7日記事参照)を公布し、その後商務部などにより、「両用品目輸出管理リスト」が公布された(いずれも12月1日から施行)。特に、米国に対しては12月3日から一部の品目について輸出管理を強化しており、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、超硬質材料に関連する両用品目の輸出については原則として許可せず、黒鉛の両用品目の輸出についてはエンドユーザーおよび最終用途の審査を厳格化するとしていた(2024年12月6日記事参照)。また、2025年1月16日の同部報道官談話では、戦略的資源を両用品目輸出管理リストへ追加することを示唆していた(2025年1月17日記事参照)。

米国トランプ政権は2月4日(現地時間)から、中国産の全製品に対して10%の追加関税を課すと発表(2025年2月3日記事同2月4日記事参照)しており、中国商務部は2月2日の報道官談話でこれに強い不満を表明し、中国の権益を守るために相応の対抗措置を取ると表明していた。

(注1)対象品目の詳細は公告原文を参照。公告には、品目の詳細と参考HSコードが記載されている。

(注2)タングステンは、米国通商代表部(USTR)が2024年12月11日に発表した中国原産品に対する追加関税賦課の対象になっている(2024年12月12日記事参照)。また、モリブデン以外の4つの金属は、米国内務省が2018年5月に指定した35の希少金属の中に含まれており、2020年9月30日に出された大統領令において、35の希少鉱物のうち31に関して、米国は国内消費の半分以上を外国からの輸入に依存しているとし、うち14の鉱物は米国内での生産が全くないと指摘されている(2020年10月6日記事参照)。

(小宮昇平)

(中国、米国)

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