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2024年の中国の貿易、輸出入ともにプラス成長(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月4日 10時0分

添付資料PDFファイル(204 KB)

中国海関総署(中国税関)が1月13日に発表した統計によると、中国の2024年の貿易総額は前年比3.8%増の6兆1,623億ドル、うち輸出は5.9%増の3兆5,772億ドル、輸入は1.1%増の2兆5,850億ドルとなった(注1)。貿易収支は9,922億ドルの黒字となり、2023年の貿易黒字8,232億ドルより黒字幅が20.5%拡大した。

主要貿易相手国・地域別にみると、貿易総額で構成比が最も大きかったのがASEAN向けで15.9%、次いでEU(12.8%)、米国(11.2%)の順となった(添付資料図1参照)。輸出では、最大の貿易相手であるASEAN向けが前年比12.0%増(構成比16.4%)となり、特にASEAN諸国で最大の輸出額となっているベトナム向けが17.7%増と大幅に増加した。2位の米国向けは4.9%増(14.7%)、3位のEU向けは3.0%増(14.4%)となった(添付資料図2参照)。輸入では、1位のASEANが2.0%増(構成比15.3%)、2位のEUが4.4%減(10.4%)、3位の台湾が9.3%増(8.4%)となった(添付資料図3参照)。EUについては、特にドイツからの輸入が10.7%減と大幅に減少した。日本との貿易は、輸出(3.5%減)、輸入(2.6%減)ともに減少した。

品目別の貿易額をみると、輸出は船舶(57.3%増、433億8,000万ドル)、集積回路(17.4%増、1,594億9,900万ドル)、自動車(シャーシを含む、15.5%増、1,173億5,300万ドル)といった品目の増加幅が大きかった一方、レアアース(36.0%減、4億8,900万ドル)、陶磁製品(15.6%減、219億8,900万ドル)などで大幅に減少した。輸入は、自動データ処理機械・部分品が57.9%増の796億3,800万ドル、未精錬銅および銅材が13.5%増の540億9,300万ドル、銅鉱石および精鉱が13.1%増の677億4,900万ドル、集積回路が10.4%増の3,856億4,500万ドルとなった。一方、レアアースが29.7%減の15億5,200万ドル、食用油が28.7%減の74億1,800万ドル、自動車(シャーシを含む)が16.7%減の391億9,200万ドルとそれぞれ減少が目立った。

中国税関総署の王令凌副署長は、2024年の中国の貿易について「質、量、成長率ともに向上した」と評価したうえで、特に「質」について、ハイテク製品の貿易が順調に成長し、自主ブランドの輸出が過去最高を記録し、越境EC(電子商取引)などの新たな貿易形態が盛んになっている、と分析した。

中国の対米黒字は前年比で拡大、小口貨物や蓄電池の輸出が増加

海関総署の統計で米中間の貿易動向をみると、2024年の中国の対米輸出は前年比4.9%増の5,246億5,600万ドル、対米輸入が0.1%減の1,636億2,400万ドルで、対米黒字額は7.4%増の3,610億3,200万ドルだった。貿易統計データベース「グローバル・トレード・アトラス」を基に中国の対米輸出品目をみると、HSコード4桁ベースで最大の輸出品目である電話機(HS8517、スマートフォンなど)は6.5%減の465億5946万ドル、2位の自動データ処理機械(HS8471、PCなど)は0.4%増の412億2,381万ドルとほぼ横ばいだった一方、3位の小口貨物(HS9804)は30.3%増の218億7,053万ドル(注2)、4位の蓄電池は16.5%増の163億6,735万ドルと大幅な伸びを示した。また、対米輸入品目をみると、最大の輸入品目である石油ガス(HS2711)は35.6%増の140億4,171万ドル、3位の集積回路(HS8542)は43.1%増の118億9,514万ドルとなった一方、2位の大豆(HS1201)は29.7%減の120億5,645万ドル、4位の自動車(HS8703)は13.3%減の72億8,205万ドルだった。

なお、中国商務部は2月2日、米国が中国に10%の追加関税を課すと発表したことに対して、「強い不満を抱いており断固反対する」としたうえで、「WTOルールの重大な違反であり、米中の正常な経済・貿易協力を損なうもので、WTOに訴訟を提起し、自国の利益を守るために相応の対抗措置を講じる」と発表した。

(注1)中国税関総署の発表によると、人民元建てでは貿易総額は43兆8,468億元(約920兆7,828億円、1元=約21円)と過去最高額になり、輸出は25兆4,545億元、輸入は18兆3,923億元となった。

(注2)「シーイン(SHEIN)」や「テム(Temu)」など中国発の越境ECプラットフォームの利用者数が増加していることが背景にあるとみられる(2024年10月10日付地域・分析レポート参照)。

(廣田瑞生)

(中国)

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