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水供給能力の拡大に取り組むチェンナイ(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月5日 0時10分

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州の州都チェンナイは、地形上、大きな河川がなく、水の供給を例年11月から1月のモンスーンに依存している。一方、人口増加や都市化の進展、生活水準の向上により、水の需要は今後も拡大が予想されている。

チェンナイ都市圏上下水道公社(Chennai Metropolitan Water Supply and Sewerage Board、以下CMWSSB)のサラバナン次官は、チェンナイ市の水供給の課題について、(1)モンスーンに依存し永続的な水供給元がないこと、(2)人口の増加およびそれに伴う人口密度の上昇、(3)水供給先(地域)の偏りをあげた(2025年1月27日ヒアリング)。

このため、CMWSSBでは上水道管理計画を策定し、(1)海水淡水化プラントの設置、(2)下水の再利用の推進、(3)市民啓発活動による雨水の確保、(4)湖沼・貯水池の涵養(かんよう)に取り組んでいる。

このうち、海水淡水化プラントについては、現在、ミンジュ―ル(供給能力100MLD、 注)、ネメリ(110MLD、今後150MLDに拡大予定)が稼働しているほか、日本の円借款事業によりネメリ地区内に400MLDのプラントが建設中で、2026年完成を予定する。

また、下水の工業用水への再利用率については、現状の6%を20%に向上させることを目標としている。現在では、2カ所の逆浸透膜浄水処理施設(処理能力は合計90MLD)が稼働中で、今後、限外ろ過施設(50MLD、250MLD)を建設する予定だ。

CMWSSBによると、チェンナイ市の上水道供給網は総延長6,391キロメートル(km)、下水道は4,659km とそれぞれ市全体の83%、73%をカバーしている。また、タミル・ナドゥ州水投資会社(TWIC)によると、チェンナイ市の水需要は1日当たり1,200MLDに対し、供給は1,000MLDにとどまっており(2025年1月27日ヒアリング)、水関連ビジネスやインフラに関する商機が拡大しそうだ。

(注)1日当たり100万リットル(Million Liters per Day)。

(白石薫)

(インド)

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