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中国、小売業の高度化プラン発表、商業施設の効率的な運営促進(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月25日 1時40分

中国の商務部など7部門は12月16日、「小売業の革新・高度化プロジェクト実施プラン」を発表した(文書は11月15日付)。同方案は、小売商業施設の高品質な発展に向け、供給体制やサービスなどの改善を図るとして、試行都市(注1)で主に次の取り組みを進めるとした。

1.環境改良の推進

百貨店やショッピングセンターの運営効率向上を目指し、商業施設の品質と安全性の確保を前提に、「1施設1施策」(注2)の改装を推進する。総合型の商業環境の構築を奨励し、ショッピングや飲食、社交、娯楽などのサービスを提供する新たな消費環境を創造する。

2.高品質な供給の推進

カスタマーファーストを堅持し、誠実な経営で品質とサービスを優先し、商品とサービスの供給を最適化させる。自動車や家電などの消費財の買い替えを奨励し、デジタル製品や健康、美容、ペットなど新しい消費の成長を促す。国際展示会の利用、外国企業との協力、越境電子商取引(EC)などを活用し、良質な商品の輸入を奨励する。

3.デジタル化の推進

小売りとデジタル経済の融合を推進する。GS1(注3)に基づく商品バーコードシステムの推進を奨励し、データの相互接続、収集・交換の円滑化を促進する。

4.多元化イノベーションの推進

消費動向の変化に合わせ、多様な小売り業態を創設する。百貨店は飲食、娯楽、ファミリー向けサービスの割合を適切な範囲で増やすことを奨励する。大型スーパーマーケットや倉庫型会員制店舗は、近隣の小規模事業者への供給など卸売業の機能も兼ねることを奨励する。スーパーマーケットやコンビニエンスストアは「多機能型店舗」として、顧客の流れや利便性の向上を図ることを推奨する。

5.サプライチェーン改善の推進

大規模小売企業がその強みを発揮し、サプライチェーンの共同運営を強化し、流通を最適化し、供給と販売を効率的に接続し、コスト削減と効率化を推奨する。

また、同プランでは知的財産権の侵害や模倣品・粗悪品の製造・販売の取り締まりを強化し、公平な競争環境を構築するとした。地方政府に対しては、小売商業施設に使用される国有財産の共同運営期間を延長し、投資計画を安定させるよう奨励するとした。

商務部は、小売業は消費者に最も近い業界として重要な役割を果たしている一方、一部の施設の運営効率に問題があり、多くの小売企業が変革を進めており、政策支援を強化する必要があると解説した。

(注1)各都市は商務部に試行都市の申請を行い、商務部など関連部門は2025年から2029年までに毎年複数の試行都市を選定するとしている。認定を受けた都市は試行期間を2年として、事例や経験を順次普及させるとしている。

(注2)商業施設の特徴や経営状況に応じたプランで改装すること。開店時間、所在地、機能の位置づけなどを踏まえて、商業施設を改装し、グレードアップを図る。

(注3)流通コードの管理や流通標準に関する国際機関で、日本を含む116以上の国・地域の機関が加盟している。GS1バーコードは、売買、輸送、医療、電子商取引などに利用されている。

(蔣春霞)

(中国)

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