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ペルーで3閣僚が交代(ペルー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月3日 13時10分

ペルーのディナ・ボルアルテ大統領は1月31日、経済財政省、女性社会的弱者省、開発社会包摂省の大臣(閣僚)3人を交代させ、大統領官邸において新閣僚の宣誓式を行った。ボルアルテ大統領が2022年12月7日に就任して以降、今回の交代により累計59人が閣僚に就任したことになる。

経済財政相には、ホセ・サラルディ氏が就任した。直前まで投資促進庁(Proinversión)長官だった。同庁では外資企業誘致と投資促進に積極的に関わり、ボルアルテ大統領のインフラ省設置という構想に経済財政省とともに関わっていることをジェトロのインタビューで明らかにしていた(2024年8月2日記事参照)。マルティン・ビスカラ政権時には、生産相も務めた。公的機関での勤務が長く、運輸通信省の事業部長などのほか、国立工科大学で教鞭(きょうべん)をとった経験もある。

産業界は、サラルディ氏の就任を歓迎している。ペルー経団連(CONFIEP)のアルフォンソ・ブスタマンテ会長は、サラルディ氏はペルーにとり経済成長が重要なことをよく理解しており、投資促進庁でも活躍していたと評価。また、今後は経済財政相として財務を見るだけではなく、経済の活性化と貧困対策にリソースを割くことにも注力してほしいと期待を寄せた。

ホセ・アリスタ前経済財政相について、辞任の理由は明らかになっていないが、現地報道では、一部の地方政府関係者が、地方振興の予算を求めても応じないことなどを理由に辞任させるようボルアルテ大統領に陳情した、との情報が出ていた。また議会では、国家予算のばら撒きに近いポピュリズム的な法案が出るたびに、それを抑える役割を担っていたため議会関係者から反発を招くこともあった。

女性社会的弱者相には、ファニ・モンテジャノス氏が就任した。直前まで、開発社会包摂省の副大臣だった。乳児の栄養対策や貧困世帯向け食品援助など福祉政策の実施に長年携わり、国連食糧農業機関(FAO)のペルーのコーディネーターを務めた経験もある。

開発社会包摂相には、レスリー・ウルテアガ氏が就任した。2022年12月から2024年9月まで、文化相だった。保健省や貿易観光促進庁(PromPerú)など公的機関での勤務が長い。

ボルアルテ大統領は、2024年7月の所信表明演説で、既存の2省を統合する方針を掲げている。検討状況は公表されていないが、水面下で女性社会的弱者省と開発社会包摂省の統合を検討している、との現地報道もあり、モンテジャノス氏が開発社会包摂省から女性社会的弱者省へ移ったことに注目が集まっている。

ペルーでは、学校給食による児童生徒らの相次ぐ食中毒が発端となり、公立教育施設や貧困地域を対象とする給食事業を巡る組織的な汚職が次々と明るみに出た。全容は解明されていないが、国民から非難を受けるボルアルテ政権は対応に追われており、本件を所掌する開発社会包摂省の大臣交代で立て直しを図る狙いがあるとみられている。

(石田達也)

(ペルー)

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