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バイデン政権時の米商務省、CHIPSプラス法に基づき、初の日系企業含む4社への助成覚書を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月27日 0時40分

バイデン政権時の米国商務省は1月16日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、(1)アナログデバイセズ(ADI)に最大1億500万ドル、(2)コヒレントに最大7,900万ドル、(3)インテリジェント・エピタキシー・テクノロジー(インテリEPI)に最大1,030万ドル、(4)スミカ・セミコンダクター・マテリアルズ・テキサス(スミカ)に最大5,210万ドルを、助成する予備的覚書(PMT)に署名したと発表した。

駐日米国大使臨時代行のキャサリン・モナハン氏はX(旧Twitter)で、「日米は手を携えて、次世代半導体とサプライチェーンの強化をリードする」と投稿。住友化学の米関連会社であるスミカ(注1)への助成は、日系企業として初である(注2)ことにも言及した。

今回のCHIPSプラス法助成による、各社の投資計画は次のとおり。

(1)ADI(本社:マサチューセッツ州ウィルミントン)は、マサチューセッツ州チェルムスフォードにあるパッケージングと試験施設のモジュール生産の拡大に投資する。オレゴン州ビーバートンとワシントン州キャマスの拠点も拡大し、180ナノメートル(nm)と350nm製品を含む自動車や防衛産業で使われる成熟ノード半導体の生産性を、70%拡大することを目指す。

(2)コヒレント(本社:ペンシルベニア州サクソンバーグ)は、ペンシルベニア州イーストンの製造拠点を拡充し、150ミリメートル(mm)と200mmのシリコンカーバイドグラファイト(SiC)サブストレートや、SiCエピウエハーの生産促進などに投資する。同社は2024年12月にも、テキサス州シャーマン市にある拠点の拡充と現代化に3,300万ドルの助成が決定しており、リン化インジウム(InP)デバイスの生産増強を目指している(2024年12月19日記事参照)。CHIPSプラス法に基づく投資計画に対し、同じ企業が2度助成を受けるのは、マイクロンに続いて2社目。

(3)インテリEPI(本社:テキサス州リチャードソン)は、防衛、人工知能(AI)/データセンター、通信や自動車などの超高速・超高周波デバイスに使われる、InP、ガリウムひ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)などの先端化合物半導体エピウエハーを製造している。テキサス州アレンにある製造拠点の拡充と現代化により、エピウエハーの国内生産量を拡大し、サプライチェーン強化を目指す。

(4)スミカ(本社:テキサス州ヒューストン)は、テキサス州ベイタウンに、先端ロジックやメモリーチップに使われる超高純度イソプロピルアルコール(UHP IPA)製造工場を新設する。東アジアに集積するUHP IPAの製造を、米国内で強化する狙い。

また、ADIとコヒレントは、商務省からの助成のほか、投資額の25%を税額控除する財務省の先端製造投資税額控除(CHIPS ITC、2024年10月24日記事参照)を申請予定だ。

CHIPSプラス法による助成先は、1月17日に、コーニング、エドワーズバキューム、インフィネラの3社に確定が発表されている(2025年1月20日記事参照)。

(注1)住友化学は2022年9月、同社の100%子会社の東友ファインケム(韓国)を通じて米国テキサス州にスミカを設立した(2022年9月5日記事参照)。

(注2)2024年5月にCHIPS法による1億2,000万ドルの助成が発表されたポーラーセミコンダクターは、発表の時点で日本のサンケン電気が70%を所有していた(2024年5月14日記事参照)が、現在は米国のプライベートエクイティ(未公開株式)投資会社のニオブララ・キャピタルとプリズム・キャピタルが同社株式の過半数を取得している。

(キリアン知佳)

(米国)

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