米カリフォルニアでクリーンテック・フォーラム・ノースアメリカ開催、関連のイノベーター集結(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月3日 0時50分
米国カリフォルニア州サンディエゴで1月26~29日、「クリーンテック・フォーラム・ノースアメリカ」が開催された。世界各国から脱炭素社会技術に携わるスタートアップや、投資家、大手企業など600人超が参加した。このフォーラムは、米国で急速に成長する環境・エネルギー産業を主導するイノベーターらが環境負担軽減のための解決策を議論するだけでなく、具体的に製品や技術の紹介を行うことによる投資・協業促進を目的としている。エネルギー、製造、水、廃棄物処理、輸送、農業などを含む環境・エネルギー分野の市場トレンドの紹介や、専門家によるパネルセッション、ワークショップに加え、ビジネスマッチングやネットワークセッションが連日行われた。
会期中はイノベーターの貢献を称える「グローバル・クリーンテック100」(注)の授賞式が行われた。2025年は52カ国を超える1万8,773社のクリーンテック企業から、まず100社が候補として選出され、それぞれの分野で最も優れた次の7社のスタートアップ企業が授賞式で発表された。
クリーンテック殿堂入り賞:「Svante」産業排出ガスや大気から二酸化炭素(CO2)を回収する技術
最優秀アーリーステージ企業賞:「AtmosZero」化石燃料に代わる熱生産
最優秀注目企業賞:「KOLOMA」地中水素の生産、「Aclarity」電気化学浄水システムの開発
最優秀北米企業賞:「Fervo Energy」地熱発電
最優秀欧米・イスラエル企業賞:「Instagrid」燃焼発電機の代替となるポータブル電池
最優秀アジア太平洋企業賞:「lNDRA」水処理システム
このほか、(1)エネルギー・電力分野、(2)電力・モビリティ系(ユーティリティ関連)分野、(3)化学・材料分野、(4)資源と環境管理、廃棄物やリサイクル分野の4分野で、優秀とされる27社への表彰も行われた。
会場での授賞式(ジェトロ撮影)
日本からも環境・エネルギー投資家が多数参加
脱炭素への意識の高まりから、米国のクリーンテック分野の成長は著しい。その背景には、イノベーションを先導するスタートアップとイノベーションを支える多くのベンチャーキャピタル(VC)の関与がある。日本からも、エネルギーや化学、交通、廃棄物処理メーカーに加え、これら企業に積極的に投資を行うVCが多く参加した。米国のクリーンテック分野の動向を学べるだけでなく、協業パートナーを発掘する機会として有効なイベントとして、このフォーラムは位置づけられている。中には1日7本もの面談を入れる最高経営責任者(CEO)の姿もあった。参加した日系企業は、「具体的な取引相手を見つける意味で、環境系イベントの中でも優先順位が高いものとして参加している」「米国開催のイベントながら、国際色が強く、カナダの企業と話ができた」といった声が聞かれた。
元カリフォルニア州環境保護局(CalEPA)長官で、海洋の環境改善の官民組織「AltaSea」CEOのテリー・タミネン氏は、海事でのサステナビリティのセッションで「クリーンテックのイノベーションは、政策、テクノロジー、投資の3つで保たれている」と述べ、それぞれが強みを持ち込み、一緒に動くことの重要性を指摘した。特に環境・エネルギー分野では、民間のプレーヤーが政策に影響を与えるという、議会の外でのイノベーションが活発で、クリーンテック分野のエコシステムを促進するためにも、同フォーラムの存在は重要とされている。
ネットワークテーブルの様子(ジェトロ撮影)
(注)同プログラムは、世界最大の損害保険会社「チャブ」の支援を受けて、2009年から実施。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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