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世界の2024年の天然ガス需要は過去最多、中東などで生産量増加、IEA報告(中東、アフリカ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、世界、米国、中国、ロシア、エジプト)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月3日 0時35分

国際エネルギー機関(IEA)が1月21日に発表した天然ガス市場報告書によると、世界の天然ガス需要は2024年に前年比2.8%増の約4兆2,120億立方メートルで、過去最高を記録した。2025年もアジア市場の成長などで拡大する見込みだ。生産量は2024年に4兆1,900億立方メートルだった。中東では、地政学的な緊張もあるが、⽣産量は増加しているという。

主要国・地域の2024年の天然ガスの生産量は次のとおり(かっこ内は前年比)。

北米:1兆2,850億立方メートル(30億立方メートル減)、うち米国1兆600億立方メートル
ロシアCIS:8,600億立方メートル(300億立方メートル増)、うちロシア6,820億立方メートル
中東:7,410億立方メートル(160億立方メートル増)
アジア大洋州:6,900億立方メートル(150億立方メートル増)、うち中国2,460億立方メートル
アフリカ:2,460億立方メートル(前年比80億立方メートル減)
欧州:2,210億立方メートル(60億立方メートル増)
中南米:1,480億立方メートル(10億立方メートル増)

中東での天然ガス生産と利用が増加

2024年の天然ガス生産量の伸びを中東の国別に見ると、オマーンが前年比で約4%増、サウジアラビア約2%増、イラン2%弱増加との推計だ。イスラエルでは紛争の影響が緩和し、約11%と大幅な増加をみせた。一方、カタールは国内での太陽光発電普及による国内需要の減少により、約2%減少という。

2024年の世界の液化天然ガス(LNG)供給量も増加しており、中東では、LNG供給量の増加分の⼤半はアラブ⾸⻑国連邦(UAE)が占めた。

また、中東では、電⼒部⾨の天然ガス利用は過去10年間で増大し、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビアなどの牽引により、今後も⽯油から天然ガスへの切り替えが続くとの予測だ。

アフリカの生産の伸びは弱く

同報告書では、アフリカの天然ガス埋蔵量は世界の約9%を占めるが、投資不足などにより、生産量の伸びは依然弱いと指摘している。2024年の生産量は前年比3.6%減の2,460億立方メートルだった。

2024年には、アフリカ最大のLNG輸出国のナイジェリアで輸出が増加したが、アフリカ全体では輸出が減少した。特にエジプトは供給制約もあって生産量が前年比15%減となり、加えて、国内需要増加により2024年5月以降は輸出を抑制した。アルジェリアでは輸出が6.6%減少したものの、欧州のロシアからのガス供給の代替などを念頭に、約70億ドルの投資を誘致したという。

なお、世界のLNG輸入量は中国で11%増、インドで21%増となり、伸びを牽引した。

OPECによると、世界の石油需要は2025年に前年比1.40%増、2026年に1.36%増との予測だ(2025年1月24日記事参照)。

(井澤壌士)

(中東、アフリカ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、世界、米国、中国、ロシア、エジプト)

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