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損失・損害対応基金理事会会合がフィリピンで開催、COP29での持ち越し課題を議論(フィリピン、アゼルバイジャン、世界)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月8日 0時10分

フィリピン政府は2024年12月2日から5日にかけて、マニラ首都圏に位置するパサイ市のフィリピン国際会議場(PICC)において「損失・損害対応基金(FRLD)理事会」の第4回会合を主催した。同会合では、2024年11月にアゼルバイジャンのバクーで開催された国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で先送りされた「損失と損害」に関する議論が行われた。

同基金の立ち上げには、国連が気候変動による損失と損害を被った開発途上国を支援するため、先進国からの寄付を募っている。フィリピン環境天然資源省(DENR)は2024年11月時点で、26の拠出元から7億3,100万ドルが基金に提供されたと発表している。

FRLD理事会は、COPとパリ協定締約国会議(CMA)のメンバーのうち、先進国から12人、開発途上国から14人の計26人で構成される。DENRのプレスリリースによれば、フィリピンはCOP28後に同理事会の議席を獲得し、2024年7月に韓国のソンドで開催された第2回会合において、今回の開催国に選ばれている。

2024年8月28日には、フィリピンの上下両議会とフェルディナンド・マルコス大統領は、共和国法第12019号(別名「損失・損害対応基金理事会法」)に署名しており、フィリピン財務省(DOF)はCOP29会期中の11月18日、「先進国から、年間1兆3,000億ドルの気候資金を調達することを目標に掲げている」と声明を発表した。

フィリピンのマリア・アントニア・ユーロ・ロイザガ環境天然資源相は「理事会主催の責任について、われわれは真剣に受け止めている。フィリピンは、気候変動の影響を最も受けやすい国の1つとして、枠組みや公約を具体的な行動に移すことが急務だと痛感している。われわれの目標は、基金がアクセスしやすく、公平で影響力のあるものにするため、理事会の意思決定を支援することだ」と述べた。

なお、COP29の合意文書では気候資金について、途上国支援目標は「2035年までに少なくとも年間3,000億ドル」と、これまで1,000億ドルだった目標を引き上げるかたちで定められた。さらに、全ての国や機関に対し、公的および民間の資金源からの気候行動に対する開発途上国向け資金を、2035年までに年間1兆3,000億ドル以上に拡大することを求めた一方、「損失と損害」については次回に持ち越しとなった(2024年11月27日記事参照)。

(西岡絵里奈、アセンシオ・アシュレイモイラ)

(フィリピン、アゼルバイジャン、世界)

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