米ジョージア・パワー、ボーグル原発4号機が稼働(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月2日 0時40分
米国の電力会社ジョージア・パワーは4月29日、ボーグル原子力発電所の4号機が商業運転を開始し、ジョージア州内で電力を供給することを発表した。
ボーグル原子力発電所では、1号機が1987年から、2号機が1989年から商業運転を行っている。米国では30年以上、原子力発電所が新設されてこなかったが、2023年7月からは3号機が商業運転を開始した(2023年8月1日記事参照)。4号機の商業運転開始時期は、2023年第4四半期後半から2024年第1四半期にかけてを予定していたが、2024年2月には、起動試験中に冷却システムの配管で振動が検出されたため、稼働が遅れると発表していた(ニュークリア・ニュースワイア」紙電子版2月6日)
同社によると、今回商業運転が開始された4号機は、少なくとも60~80年間、推定50万戸の家庭や企業に電力を供給可能だ。4基全てが稼働するボーグル原子力発電所は、毎年3,000万メガワット時(MWh)以上の発電が見込まれており、クリーンエネルギーに関しては全米最大の発電所となる。なお、ボーグル原子力発電所のほか、同社はジョージア州内でエドウィン・I・ハッチ原子力発電所も稼働しており、2023年はこの2つの原子力発電所で、同社の発電量の25%以上を発電した。
電力分野のコンサルティング企業のグリッドストラテジーズの2023年12月のレポートによると、データセンターなどへの投資により、2028年までの米国の電力需要予測は最大4.7%増となり、従来予想よりもピーク需要が38ギガワット(GW)増えるとのことだ。電力需要が増大する中、多くの専門家は、原子力発電の拡大は気候変動と闘い、米国のエネルギー自立を築くために不可欠な手段だと考えており、ジョージア・パワーのキム・グリーン最高経営責任者(CEO)は、同社が将来、自社システムにさらに原子力発電所を追加する可能性に門戸を開いたままにしていると述べた(「アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション」紙電子版4月29日)。
(檀野浩規)
(米国)
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