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在欧日系製造業の2024年営業利益「黒字」見込みは前年比7.7ポイント減(欧州、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月24日 0時25分

ジェトロが12月19日に発表した「2024年度 海外進出日系企業実態調査(欧州編)」(2024年12月19日記事参照)によると、2024年の営業利益見込みについて、在欧日系企業の「黒字」見込みの割合は、全業種で66.2%、製造業で61.0%で、それぞれ2023年度調査から3.2ポイント減、7.7ポイント減となった。西欧、中・東欧(注)の製造業ではそれぞれ63.7%、52.4%、特に中・東欧では前回調査から9.7ポイント減と落ち込みが大きかった。製造業での「黒字」見込み割合の減少の主な理由は、欧州全体での景気減速による市場需要の減少という回答が多く、次いで人件費の上昇だった。

ここ数年の営業利益見込みの推移をみると、2024年の営業利益「黒字」見込みの割合は、EUが66.2%、英国が71.1%で、EUでは新型コロナウイルス禍後の2021年度調査以後で初めて前年比減に転じた。2024年の営業利益「赤字」見込みの割合は、EUが15.5%、英国が15.8%で、英国では前年から5ポイント以上増加した。

2023年実績比の2024年の営業利益見込みでは、「改善」が30.5%で、「悪化」を2.1ポイント上回り、9.8ポイント上回った2023年度調査時よりその差は縮小した。一方、中・東欧の非製造業に限ると、「悪化」見込みの割合は40.0%で、前年より11.1ポイントも拡大した。その主な業種(理由・背景)としては、運輸・倉庫(稼働率の低下、人件費の上昇)、商社(現地市場での需要減少)が挙げられる。

2024年の営業利益見込みが前年比で「改善」する理由については、「現地市場での需要増加」の割合が最も多く、当該国(業種)は、ドイツ(化学品・石油製品、商社)、フランス(食品・農水産加工品)、ベルギー(化学品・石油製品)、チェコ〔輸送用機器部品(自動車など)〕などだった。また、中・東欧の製造業では、「改善」理由として「生産効率、販売効率、稼働率などの改善」が最も多く、当該国(業種)は、チェコ〔輸送用機器部品(自動車など)〕、ハンガリー(繊維)などだった。

一方、2024年の営業利益見込みが前年比で「悪化」する理由については、「現地市場での需要減少」との回答が最多で、次いで「人件費の上昇」だった。

2024年と比較した2025年の営業利益見通しについては、「改善」が40.6%で、前年調査と比べて0.5ポイント増加、「悪化」が10.9%で、同0.2ポイント増加した。国別では、対象国の約4分の3で「横ばい」と「悪化」の合計が「改善」を上回った。

(注)西欧はドイツ、英国、オランダ、フランス、ベルギー、スペイン、フィンランド、オーストリア、アイルランド、イタリア、スイス、ポルトガル、スウェーデン、デンマークの14カ国、中・東欧はチェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロベニア、ブルガリア、スロバキア、モンテネグロの9カ国。

(田中春彦)

(欧州、日本)

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