米GEベルノバ、アルジェリアで電力設備製造能力を拡大(アルジェリア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月24日 0時25分
グリッド技術関連ソリューションを展開している米GEベルノバ(注1)は4月17日、アルジェリア国営電力公社ソネルガスとの間に、両社の合弁会社GEAT(注2)の電力設備製造能力の拡大に関する合意書の締結を発表した。
両社は2014年に1億6,800万ドルを投資し、合弁会社GEATを設立した。2020年10月からアルジェリア南東部のバトナ県アイン・ヤグート市にある生産拠点で、タービン補助装置などを生産し、ほかの輸入部品部材とあわせてガスタービン、蒸気タービン、制御システムを組み立て、生産拠点から出荷した。当時、GE(ゼネラル・エレクトリック)にとってアフリカ大陸で初のガス・蒸気タービンの生産拠点となっていた(2021年2月10日付地域・分析レポート参照)。
今回、合意書に基づき、GEATの中核事業として高圧および超高圧変電所設備の生産を集中的に行うよう株主間協定の修正を行った。また、併せて送電関連設備、自動化設備などグリッド・ソリューションの生産能力も強化される。2021年4月にアルジェリアは、国内の太陽光発電能力を2035年までに1万5,000メガワット(MW)まで拡大する国家計画を発表している。今回の合意によって、変電所、グリッド関連設備が国内で生産され、入手が簡単になることで、機動的に配電ルートが組めるため、ソネルガスが展開している太陽光発電所(2024年3月26日記事参照)の統合と補完的な利用が可能になる。なお、2026年から変電所、グリッド関連設備の輸出も視野に入れている。子会社GEATの輸出実績を含め、2023年のソネルガスの輸出額は2億1,900万ユーロに達した。
国内の人口増加と製造業の拡大に伴う電力の国内需要増加を見込み、ソネルガスは現在の発電能力2万5,180MWを2032年までに3万MWに引き上げる計画を立てている。同社は、フランスのセディバー、インドのビジャイ・エルクトリカル、韓国のBHIなど、複数の外国企業とのパートナーシップにより、変圧器、ボイラーなど電力関連設備を現地で既に生産している。ソネルガスの最高経営責任者モウラド・アディジャル氏は「今回の合意は高圧および超高圧の電力設備の国産化を可能にするもので、電力設備製造の知識や技術の移転により長期的に同分野の輸出力を高めるものだ」とコメントしている。
(注1)米国に本社を置くエネルギー機器の製造を行う企業。
(注2)2014年にGEベルノバとソネルガスが設立した合弁会社。なお、GEベルノバは2024年2月にGEからスピンオフしている。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア)
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