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デリー首都圏の大気汚染対策、適用措置を最高の「ステージ4」に再引き上げ(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月26日 0時5分

インドのデリー首都圏・周辺地域の大気汚染対策を所管する大気質管理局(CAQM)は12月16日、デリーにおける空気質指数(AQI)の悪化に伴い、「行動計画(GRAP、2024年12月改定)」で最高のステージ4(AQI450超)に引き上げると発表した。同日にはいったんステージ3(AQI401~450)の適用を発表したばかりだったが、急激なAQIの上昇に伴い短時間での対策強化に踏み切った。

ステージ2(AQI301~400)の各種措置(2024年12月17日記事参照)に加え、現在課されている主な措置は次のとおり。

〇ステージ3(AQI401~450)の措置(ステージ4でも適用)

デリー準州内とハリヤナ州グルグラム(旧グルガオン)を含む特定地区で、対象車両(注1)の走行規制(注2)、中型貨物車のデリー準州内での走行禁止(注1)
建設工事の停止(公共施設、医療施設の建設工事を除く)
デリー準州内での砕石や鉱業関連事業の停止

〇ステージ4(AQI450超)の措置

トラック(ガス・電動車両以外)のデリー準州へのトラックの入境禁止(注3)
デリー準州以外で登録された小型商用車の同州への入境禁止(注3)
中型・大型商用車(ディーゼル車両)のデリー準州内での通行禁止(注3)
学校でオンライン授業への移行(注2)
公的機関、地方自治体、民間企業の従業員のうち50%の人員を在宅勤務へ移行(注2)
そのほか、教育機関、商業活動の閉鎖、車両の走行許可発出など緊急的追加措置も可能

デリー首都圏の大気汚染は、12月に入ってからは改善傾向にあり、適用措置がステージ2に引き下げされていたものの、12月半ばからAQIが再度上昇し、16日午後10時には400に達したためステージ4の措置が発動された。CAQMは13日にインド最高裁判所の要請に応じ、インド気象局(IMD)の気象予報でAQIレベルの長期の上昇が予測される場合には、各レベルの基準値に達する前に措置を適用できるようGRAPを一部改正しており、今回のステージ4の措置はこの改正に基づいて基準値のAQI450に達する前に発動された。

(注1)走行規制対象となる車両は、古い排ガス規制基準を基にしたガソリン(BS-III)、ディーゼル(BS-IV)の乗用車。インド国内の自動車排出ガス規制BS(バーラト・ステージ)はEUによる同種規制を基にしており、BS-IIIは2005年以降、BS-IVは2010年以降に順次導入された。現行の最新基準であるBS-VIは、2018年以降導入。

(注2)執行の決定権限は各州政府に委ねられている。

(注3)ただし、生活必需品の運搬やエッセンシャルサービスの提供をする場合を除く。

(丸山春花、サンディープ・シン)

(インド)

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