バイデン米大統領、ガザ停戦交渉は実現の「瀬戸際にある」と発言(米国、イスラエル、パレスチナ、カタール、レバノン、シリア、イラン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月14日 14時0分
人質解放交渉は合意に近づいている。米国のジョー・バイデン大統領は1月13日に国務省で行った外交政策に関する演説で、イスラエルとハマスの停戦交渉が実現するかどうかの「瀬戸際にある」と述べた。
「エルサレム・ポスト」紙電子版(1月13日)は外交筋の情報として、停戦案の第1段階では33人の人質が解放され、イスラエル国防軍(IDF)はパレスチナ自治区のガザ地区から段階的に撤退することになるとしている。また、停戦開始後16日目から人質全員の解放とIDFの撤退を目標とした次の段階の交渉が開始されるという。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は1月12日にバイデン大統領と電話会談を行った。イスラエル首相府によると、ネタニヤフ首相はバイデン大統領とガザ地区で拘束されている人質解放交渉の進展について議論するとともに、人質解放を進展させるために、カタールのドーハに向かった交渉団に与えた権限について説明した。また、ネタニヤフ首相は、人質解放に向けたバイデン大統領やドナルド・トランプ米次期大統領の協力に感謝の意を述べたとしている。ホワイトハウスによると、バイデン大統領は「レバノンでの停戦合意、シリアのアサド政権崩壊、イラン勢力の弱体化によって根本的に変化した(中東)地域情勢」について議論するとともに、「ガザ地区での停戦と人質の帰還、停戦合意に基づく戦闘停止によって可能になる人道支援の急増が早急に必要だ」と強調した。
イスラエル首相府によると、ネタニヤフ首相は1月11日にイスラエル訪問したトランプ次期大統領の中東担当特使のスティーブ・ウィトコフ氏と会談した。米メディアの「アクシオス」(1月11日)によると、ウィトコフ特使はトランプ次期大統領の1月20日の就任日までに人質解放合意に達するという目標を強調したという。
ネタニヤフ首相とウィトコフ中東担当特使(イスラエル首相府提供)
また、ネタニヤフ首相はウィトコフ特使との会談後に、諜報(ちょうほう)機関モサドのデビッド・バルネア長官やイスラエル総保安庁(シンベト)のロネン・バー長官らにドーハに向かうよう指示したという。
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(米国、イスラエル、パレスチナ、カタール、レバノン、シリア、イラン)
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