11月のカナダ消費者物価指数、前年同月比1.9%上昇(カナダ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月20日 14時35分
カナダ統計局が12月17日に発表した11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比1.9%の上昇で、10月の上昇率(2.0%、2024年11月20日記事参照)を0.1ポイント下回り(添付資料表参照)、上昇幅は鈍化した。
統計局は、上昇の鈍化は広範囲に及んでいると分析した上で、旅行ツアー価格と住宅ローン金利を最大の鈍化要因として挙げている。ガソリンを除く全品目のCPIは2.0%上昇し、10月の2.2%から上昇率が緩和した。前年同月比のガソリン価格は10月の4%減から11月は0.5%減に下落幅が縮小したものの、これは2023年11月に前年同月比3.5%下落していたことによる基準年の影響で、2024年10月からの前月比では横ばいとなった。
旅行ツアー価格は、2023年11月に米国旅行の需要増加と価格上昇がみられていたことに起因した基準年の影響も相まって、前年同月比12.0%減と下落幅が拡大した。また、11月はブラックフライデー関連の特売があり、家庭関連・家具・器具と衣料品・靴の品目で前月比0.9%減、0.8%減の価格低下がみられた。前月比でみた場合に目立って低下したのは、携帯電話サービス(6.1%減)や家具(2.1%減)、子供服(4.9%減)で、特に子供服においては11月としては過去最大の月間下落率だった。
一方で、住宅ローン金利は10月の前年同月比14.7%増から13.2%増に15カ月連続で軟化したが、家賃は前年同月比7.7%増で引き続き上昇傾向にあり、CPI上昇の最大の要因となっている。食料品の価格も前年同月比2.8%上昇と高止まりの状態が続く。2021年11月に比較すると、食料品は19.6%増、住居価格も18.9%増と大きく上昇している。
発表を受けて同日、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)傘下のRBCエコノミクスのエコノミスト、クレア・ファン氏は、経済の軟化(1人当たりGDPの低下と失業率の上昇)により、今後も国内の物価圧力が引き続き低下すると予想しており、2025年7月までに金利を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ずつ連続して引き下げ、2%(カナダ銀行が推定する中立金利範囲2.25~3.25%を下回る)まで引き下げるとみている。
中銀が政策金利と経済見通しを示す次回の金融政策報告書の発表は2025年1月29日に予定されている。
(井口まゆ子)
(カナダ)
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