1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

オーストラリア政府、グリーンアルミ生産の支援策発表(オーストラリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月28日 1時5分

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は1月20日、重工業の脱炭素化と産業の高付加価値化を支援するため、再生可能エネルギーを利用した低炭素アルミニウムの生産者に財政支援を行う「グリーンアルミニウム生産クレジット」(Green Aluminium Production Credit)を導入し、これに20億オーストラリア・ドル(約1,960億円、豪ドル、1豪ドル=約98円)を投じると発表した。この取り組みは、前年に発表した連邦政府の国内新産業を支援する「フューチャー・メードイン・オーストラリア」(支援総額227億豪ドル、2024年4月22日記事参照)の一環となる。

同制度では、再生可能エネルギーを調達し、2036年よりも前にスコープ2(注1)の温室効果ガス(GHG)排出量の削減を達成したアルミニウム製錬所に対して、低炭素アルミニウムを1トン生産するごとに最大10年間にわたってクレジットを提供する。今後、制度設計などの詳細を議論し、制度開始は2028年7月1日となる予定だ。アルバニージー首相は「オーストラリアでは、ボーキサイト採掘から最終製品まで、アルミニウムの全てのサプライチェーンが国内で完結する。これは他国に類を見ない」と述べた。その上で「世界でクリーンかつ信頼性の高いオーストラリア産グリーンアルミニウムのような金属の輸入に関心が集まっていることは、脱炭素化の進む世界市場で(オーストラリアにとって)大きな成長機会となる」とし、アルミニウム産業を支援する意義を強調した。

政府発表を受けて、産業界は歓迎の意を示した。オーストラリア・アルミニウム協議会(Australian Aluminium Council)は同日にプレスリリースを発表し、「政府の発表は、国内アルミニウム産業の将来を確たるものとし、世界のエネルギートランジションのリーダーとしてのオーストラリアの役割を強化する重要な一歩」と述べた。同協議会によると、オーストラリアはアルミニウム生産で世界6位に位置し、国内には現在、アルミ製錬所が4カ所(注2)ある。

(注1)温室効果ガス(GHG)排出量の算定、報告の基準の1つ。スコープ2とは、他社から購入した電気、熱、蒸気の使用に伴う間接的なGHGの排出。

(注2)資源大手リオティントの製錬所がクイーンズランド州グラッドストーンとタスマニア州ベルベイの2カ所、日系企業の丸紅も出資するアルミニウム製錬大手アルコア・オーストラリアの製錬所がビクトリア州ポートランドに1カ所、アルミニウム製錬企業トマゴ・アルミニウムの精錬所がニューサウスウェールズ州トマゴに1カ所ある。

(青島春枝)

(オーストラリア)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください