UAE初のカジノ施設が2027年にオープン予定（アラブ首長国連邦、米国）

米国ネバダ州に本社を置く統合型リゾート企業のウィン・リゾーツは5月6日発表のプレスリリースで、アラブ首長国連邦（UAE）のラスアルハイマ首長国（Ras Al Khaimah：RAK）に建設中の高級リゾート「ウィン・アル・マルジャン・アイランド」が2027年初頭に一般公開されることを発表した。同施設内にはUAE初の統合型ゲーミングリゾートを設ける予定で、いわゆるカジノが初めて登場することになる。

同リゾートは、UAE北端のラスアルハイマ首長国にあるペルシャ湾に面した約62ヘクタールの人工島に建設中だ。同首長国の大手デベロッパーのマルジャンと、同首長国の王族が代表を務めるRAKホスピタリティー・ホールディング、ウィン・リゾーツが共同でこのプロジェクトを開発している。

同リゾート施設内にはカジノをはじめ、22のレストラン、ラウンジ、バーが開業予定で、劇場も併設して各種ショーが行われる。また、1万5,000平方メートルのショッピングエリアや、会議・イベント施設を併設し、総合観光施設としてラスアルハイマ首長国が推し進める観光客誘致の中心となることが期待されている。同時に、ドバイ中心部から車で1時間という利便性を海外観光客にアピールし、ドバイやアブダビで完結しがちな観光を他の首長国に誘致することも目的としている。

イスラム教ではギャンブルが禁止されているが、ラスアルハイマ観光開発局は2022年に同施設の建設が発表された際、ホテル運営、エンターテインメントスペース、レストラン、スパ、小売店、コンベンションエリア、「ゲーミング」施設を含む「統合型リゾート」を規制するエンターテインメント＆ゲーミング規制局と呼ばれる新部門を紹介する声明も同時に発表した。「ゲーミング」という用語は、ホスピタリティーやレジャー施設の文脈ではギャンブルと同義に使われることが多いが、米国CNBC（2022年1月25日）によると、この用語がギャンブルを意味するかどうかは明示化されていないため、今後の運用が注目される。

（吉村優美子）

（アラブ首長国連邦、米国）