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中国の11月輸出額は単月ベースで2021年12月を上回る水準、駆け込み需要も背景に(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月23日 0時45分

中国海関総署の12月10日の発表によると、2024年1~11月の貿易総額は前年同期比4.9%増の39兆7,900億元(約875兆円、1元=約22円)、うち輸出額は6.7%増の23兆400億元、輸入額は2.4%増の16兆7,500億元となった(注1)。11月単月の貿易総額は前年同月比1.2%増の3兆7,500億元、うち輸出額は5.8%増の2兆2,200億元と、単月ベースで2021年12月以来の最高額を更新した。また、輸入額は4.7%減の1兆5,300億元となった。

1~11月の貿易額を主要な貿易相手国・地域別にみると、ASEAN、EU、米国、韓国の順となり、いずれも前年同期比で増加した。輸出では、ASEAN向けが12.7%増、EU向けが3.8%増、米国向けは5.1%増、韓国向けは1.1%減となった。輸入では、ASEANが3.0%増、EUが3.3%減、米国は1.4%増、韓国は13.0%増だった。一方、日本は輸出が2.2%減、輸入は2.5%減となった。

主要品目別では、機械および電気機器の輸出が13兆7,000億元で、前年同期比8.4%増加し、中国の総輸出額の59.5%を占めた。そのうち、一般機械機器、自動情報処理装置とその部品、家電製品、集積回路はそれぞれ14.4%増、11.4%増、15.5%増、20.3%増と2桁の伸びを示した。そのほか、船舶は65.3%増、自動車(シャシーを含む)は16.9%増と好調だった。

輸出増は駆け込み需要も要因、当面は安定的な成長の見方も

民生銀行首席経済学者の温彬氏は、11月の輸出増加の背景として、米国の次期大統領に就任予定のドナルド・トランプ氏が、中国からの輸入に10%の追加関税を就任初日に課す意向を示したことにより(2024年11月26日記事参照)、米国向け輸出の駆け込み需要が発生している、と指摘した。また、財政部と国家税務総局が11月15日に「輸出税還付政策の調整に関する公告」により、12月1日から一部の石油精製品や太陽光発電製品、電池、一部の非金属鉱物製品など209品目の輸出税還付率を13%から9%に引き下げるなどの措置を発表したことも要因として挙げた(「中国網財経」12月12日)(注2)。

中国光大銀行金融市場部マクロ研究員の周茂華氏は、11月の輸出増の主な要因として、堅調な海外需要、電気・電子機器の需要回復に加え、海外の一部小売業者が(今後追加で課され得る)関税の影響を回避するため、中国からの輸入を増加させた、と指摘した。また、今後はグローバル需要の回復、(今後の措置を見据えた)関税による影響、中国の輸出競争力の向上などを考慮すると、今後数カ月間は輸出の安定的な成長が見込まれるとの見方を示した(「界面新聞」2024年12月10日)。

(注1)2024年1~11月の貿易総額の米ドルベースは前年同期比3.6%増の5兆6,000億ドルで、うち輸出額は5.4%増の3兆2,400億ドル、輸入額は1.2%増の2兆3,600億ドルとなった。

(注2)財政部と国家税務局は11月15日、「輸出税還付政策の調整に関する公告」を発表。アルミニウム、銅などに対する輸出税の還付を停止するほか、太陽光発電製品、電池、一部の石油精製品、一部の非金属鉱物製品など209品目の輸出税還付率を13%から9%に引き下げるとし、いずれも12月1日から施行するとした。対象品目は、財政部と国家税務局が同日に発表した税廃止製品リスト輸出税還付率引き下げリストを参照。

(神野可奈子)

(中国)

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