3月の米ジョブカットレポート、テクノロジー・製造業などの雇用の弱さ示す(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月5日 13時25分
米国の再就職支援会社チャレンジャー・グレイ&クリスマスは4月4日、3月のジョブカット(人員削減)レポートを発表した。それによると、3月単月の人員削減数は9万309件で、前年同月比では0.7%増と、2023年1月以来の高い数値となった。第1四半期(1~3月)を通じた削減数は25万7,254件で、前年同期比5%減だった。採用計画は第1四半期を通じて3万6,795件で、前年同期比48%減と、2016年以来最も少ない数値となった。
第1四半期の人員削減数について業種別に見ると、最大の削減数となったのはテクノロジー部門で4万2,442件。次いで、軍関連で大規模な人員削減を反映した政府部門(3万6,195件)、金融部門(2万8,715件)、サービス部門(1万6,014件)、運輸部門(1万5,746件)などが続く。2023年第1四半期と比較した場合に人員削減の増加割合が高い業種は、政府部門(82倍)、運輸部門(5.8倍)、工業製品製造(8.3倍)、アパレル(18倍)、エネルギー部門(12倍)、教育部門(8.6倍)など。逆に、人員削減の減少割合が高い業種は、不動産部門(72%減)、ヘルスケア部門(50%減)、小売り部門(43%減)、自動車部門(39%減)などだった。
人員削減理由は、コスト削減6万6,302件、業務再編4万8,352件、事業・部門・店舗閉鎖によるもの3万8,619件、経済と市場の状況によるもの2万3,329件などとなっている。
チャレンジャー・グレイ&クリスマスの上級副社長のアンドリュー・チャレンジャー氏は今回の結果に関し、「多くの企業がより少ない人員でより多くのことを行うアプローチに回帰しているようだ。テクノロジー部門は今年も全部門の人員削減をリードしているが、エネルギー部門や工業製品製造部門を含む幾つかの部門では、前年よりも多くの削減が行われている」と述べている。労働省が発表している雇用動態調査(JOLT)や、サプライマネジメント協会(ISM)が発表している景況感指数(2024年4月2日記事、2024年4月4日記事参照)も、商業・運輸部門や情報通信、製造業などの雇用は弱めの動きとなっており、業種によるバラつきはあるものの、雇用が緩やかに減速しつつあることを裏付けるものとなっている。
(加藤翔一)
(米国)
この記事に関連するニュース
-
米新規失業保険申請、20万8000件と横ばい 4月人員削減は減少
ロイター / 2024年5月3日 3時10分
-
第1四半期の外資規制業種への投資、日本が過半数を占め首位(タイ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月2日 0時50分
-
湖北省の第1四半期GRP成長率、堅調に推移も課題残る(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月30日 0時40分
-
3月の米雇用統計、雇用者数は30万3,000人と強い伸び、平均時給の上昇率は低下(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月8日 15時30分
-
3月米人員削減、14カ月ぶり高水準 ハイテク企業や政府機関で増加
ロイター / 2024年4月5日 8時0分
ランキング
-
1世界初 「月の裏側のサンプル採取」に挑戦 中国の無人月面探査機発射成功
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月3日 20時44分
-
2韓国慰安婦訴訟で追加提訴 日本政府に損害賠償請求
共同通信 / 2024年5月3日 17時6分
-
3米CIA長官がエジプト入り=ガザ休戦で協議か
時事通信 / 2024年5月3日 21時42分
-
4「ウクライナには反撃の絶対的な権利」英キャメロン外相 ロシア領内への反撃に理解
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月3日 21時26分
-
5「米大学は憎しみと反ユダヤ主義で汚染」 イスラエル大統領
AFPBB News / 2024年5月3日 14時42分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください