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2023年の財輸出額は前年比9.5%減(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年2月14日 1時5分

添付資料PDFファイル(222 KB)

スリランカ輸出開発局(EDB)は129日、2023年の輸出実績を発表し、2023年の財輸出額は前年比9.5%減の1185,600万ドルにとどまった。サービス輸出額は63.1%増の308,000万ドルとなり、合計輸出額は0.4%減の1494,000万ドルだった。

財輸出額が減少した要因としては、繊維製品・衣料品が前年比18.0%減の486,500万ドル、ゴム製品が8.7%減の93,024万ドルに落ち込んだことなどが挙げられる。他方、茶は4.1%増の13990万ドルに増加した(添付資料表1参照)。

国・地域別の財の輸出額では、衣料品の主要輸出先である欧米で落ち込み、米国向けの輸出額が前年比16.9%減の275,860万ドル、EU向けが10.8%減の271,190万ドルとなった。隣国のインド向けは、最大輸出品の動物飼料が減少し、3.0%減の82,970万ドルとなった。日本への輸出額は16.6%減の18,880万ドルだった(添付資料表2、表3参照)。

情報通信技術(ICT)/ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)、建設、金融サービス、運輸・物流で構成されるサービス輸出では、ICTBPMの輸出額が前年比13.2%増の125,960万ドルになると推計している。

輸出拡大に向け、貿易政策の改革を求める声も

2022年に債務危機に直面したスリランカでは、輸出拡大が喫緊の課題となっている。現地シンクタンクの政策研究所(Institute of Policy Studies of Sri LankaIPS)が202310月に発刊した「スリランカ経済の状態2023 経済政策の選択:安定化から成長へ」では、1990年代以降の輸出の低迷や、国内産業保護によるグローバル・バリュー・チェーン(GVC)への参画の遅れ、新製品のイノベーション不足などのスリランカの輸出部門の課題を指摘し、輸出を活性化させるために貿易政策改革を求めている。

20231123日にコロンボで開催された第25回大統領輸出賞授賞式において、ラニル・ウィクラマシンハ大統領は、農業技術導入にかかる資金援助や土地制度の改革、農業技術大学の設立を通じ農産物輸出を活性化させるとともに、技術革新や輸出拡大のために国内外から投資を呼び込むという計画を発表している。

写真 第25回大統領輸出賞授賞式でスピーチするラニル・ウィクラマシンハ大統領(ジェトロ撮影)

第25回大統領輸出賞授賞式でスピーチするラニル・ウィクラマシンハ大統領(ジェトロ撮影)

(大井裕貴)

(スリランカ)

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