ジェトロ、米NY市で「New York Scaleup Summit 2024」開催し、日系企業と米スタートアップの協業促進（米国）

ジェトロは3月26日、イノベーション・アドバイザリー・サービスを提供する米国企業のマインド・ザ・ブリッジ（Mind the Bridge、以下MTB）とともに米国ニューヨーク市内で「New York Scaleup Summit 2024」を開催し、日系企業と米国スタートアップなどとのビジネスマッチングを実施した。MTBはシリコンバレーで設立され、欧州などの主要都市でも類似イベントの開催実績を有する。東海岸のスタートアップエコシステムの活性化を踏まえ、ニューヨーク市にも2022年に拠点を設立した。

本事業は、国際的なオープンイノベーションを支援するジェトロのJ-Bridgeプログラム（注）の一環で実施された。日系企業とニューヨークをはじめとする米国東海岸のスタートアップやエコシステム関係者とのネットワーキングを促進し、日系企業との協業意欲を喚起する目的で実施され、10社前後の日系企業が参加した。参加した日系企業3社によるリバースピッチが行われたほか、事前に設定された日系企業と米国スタートアップとの個別面談、参加者間の交流イベント、MTBによる米国東海岸での日系企業のイノベーション活動に関する報告や、欧米企業による米国スタートアップとの連携の成功事例をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションの様子（ジェトロ撮影）

日系企業によるリバースピッチでは、旭化成アメリカ、キヤノンUSA、ジャパン・エアラインズ・ベンチャーズの3社が米国スタートアップとの協業で期待する重点分野などを説明し、参加者に協業・連携を呼びかけた。

旭化成アメリカの五十嵐氏によるリバースピッチ（ジェトロ撮影）

キヤノンUSAの今野氏によるリバースピッチ（ジェトロ撮影）

ジャパン・エアラインズ・ベンチャーズの松崎氏によるリバースピッチ（ジェトロ撮影）

MTBがジェトロとともに2024年3月に取りまとめた「米国東海岸での日系企業のイノベーション活動動向の報告」で、シリコンバレーだけでなく、ニューヨークやボストンなどの東海岸においても国別では日系企業のイノベーション拠点数が最多であることを指摘した。加えて、シリコンバレーに次ぐ成熟したスタートアップエコシステムである東海岸の両都市でのオープンイノベーションを日系企業が牽引していくことへの期待を示した。

本イベントを通じて日米企業間の交流が活発に行われ、参加した米国スタートアップからは日本を代表する大企業と密に会話ができる有意義な機会となったとの声が寄せられた。

（注）日本企業とスタートアップなどの海外企業の国際的なオープンイノベーション創出を目的とした会員制（無料）のビジネスプラットフォーム。詳細はジェトロのウェブサイトを参照。

（平本諒太、佐道美樹）

（米国）