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タミル・ナドゥ州、日本との水ビジネス協業に期待(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月5日 0時35分

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州のチェンナイ市で1月28日に開催された水ビジネスセミナーで、タミル・ナドゥ水投資会社(TWIC)最高執行責任者(COO)のサジド・フセイン氏(I. Sajid Hussain)が州の水供給の現状や課題、今後のプロジェクトについて講演し、日本との協業を呼びかけた。このセミナーは、日本機械輸出組合、経済産業省、ジェトロが業界関係者約40人を集めて日本から派遣した、水関連ビジネス訪問団の来訪にあわせて開催された。インド側水ビジネス関係者を含めて100人以上が参加し、セミナー後には日印企業が交流するネットワーキングイベントも開催された。

フセイン氏は講演の中で、TN州1人当たりの年間水供給量は750立方メートルとインド平均の2,100立方メートルと比較して大幅に少なく、水供給の改善が州の優先課題だと述べた。そのうえで、設備の老朽化、漏水、不正な取水などにより24時間継続的な水供給や料金の回収ができておらず、水供給システムやインフラ全体の強化が必要と指摘した。また、海水淡水処理施設、下水処理施設および再利用施設、河川の再生について、今後のプロジェクト、課題などを説明した。

日本企業との協業分野としては、IoT(モノのインターネット)を利用した監視装置やインドの基準値を超えた汚染物質を排水することを禁じるゼロ排水規制(ZLD:Zero Liquid Discharge)システムなどへの対応に期待を示した。また、膜処理技術(超高圧膜、膜蒸留、膜電気透析)、高効率ポンプ、可変周波数ドライブ(VFD)装置、自動化設備(分析、制御)なども可能性のある分野として挙げた。

海水淡水化プロジェクトについては、(1)チェンナイのカマラジャ(エンノール)港での処理能力1MLD(注)のプラント(建設中)、(2)トゥートゥクディ(ツチコリン)(同60MLD)、(3)クダロール(同20MLD)、(4)ラマナタプラム(同60MLD)、(5)トゥートゥクディのVOチダンバラナル(VOC)港(同5MLD)が計画されている。課題は、規模を拡大して効率化することや電気使用量の削減と説明した。

下水処理施設については、TN州内に109施設があり合計2,500MLDの処理能力があるが、施設の老朽化や電力消費量が高く運用費用がかかることを課題として指摘した。また、農村部には89の施設があるものの、消毒処理を行っているものは20%にとどまっており、現在建設中の20施設のほかに今後建設が計画されている施設が30あるとした。

逆浸透膜処理施設については7施設が建設予定で、限外ろ過施設は260MLD規模の施設をチェンナイ近郊に建設予定だとした。

河川の再生については、アディヤール川、コーム川、セントラルバッキンガム運河の再生を実施しており、今後、バガイ川、コーベリ川、タミラバラニ川、ノヤル川の再生に取り組む予定と述べた。

(注)1日当たり100万リットル(Million Liters per Day)

(白石薫)

(インド)

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