2025年の食品輸入サンプル検査の強化品目を公表(台湾、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月9日 15時30分
台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)はこのほど、「2025年食品や関係産品の輸入サンプル検査強化品目」を公表した。台湾当局による輸入検査の結果、違反回数が多い品目は輸入サンプル検査強化品目として、通常のサンプル検査の抽出比率(2~10%)よりも高い抽出比率(20~50%)を適用する(「食品および関連製品輸入検査弁法」第8条第2項)。台湾当局は同対象品目を生産国・地域別に公表しており、2025年は7カ国・地域の24品目が対象となる。
このうち、日本からの輸入品について指定されている品目は、次のとおり(CCCコードは台湾固有の輸入貨物分類表で、上6桁は基本的にHSコードと同一)。
CCCコード0810.10.00.00.8 生鮮のイチゴ
CCCコード0805.21.10.10.8 生鮮の温州ミカン
CCCコード6911.10.00.00.4 磁器食器、キッチン用品
CCCコード0703.90.00.00.1 生鮮・冷蔵のねぎ、その他のねぎ属の野菜
CCCコード0807.19.10.00.2 生鮮のハネデューメロン
この公表では、各品目に対する2025年の検査不適合の主要因が記載されており、日本については、「磁器食器、キッチン用品」が重金属の最大基準値超過、また「生鮮のイチゴ」「生鮮の温州ミカン」「生鮮・冷蔵のネギ、その他のネギ属の野菜」「生鮮のハネデューメロン」が残留農薬規制違反だった。
台湾の重金属規制は食品安全衛生管理法第17条に基づいた「食品中の汚染物質および毒素に関する衛生基準」(中国語、英語)の付表1で規定している。また、残留農薬規制は食品安全衛生管理法第15条に基づいた「残留農薬許容量基準」(中国語、英語)で規定し、ポジティブリスト制を採用している。同基準の付表1~5で、使用を認めている農薬と作物の組み合わせ、その最大残留基準値(MRL:Maximum Residue Level)、外因性最大残留許容量、MRLを定めていない農薬、使用が禁じられている農薬、残留農薬許容量基準を適用する農産物の分類をそれぞれ記載している。一律基準(注)はないため、日本から輸出する品目が台湾の残留農薬規制に合致しているか、事前に確認をする必要がある。なお、基準値は残留農薬許容量基準のデータベースからも検索可能。
(注)残留基準が定められていない農薬と作物の組み合わせに対して、残留できる一律の基準値。
(古城達也)
(台湾、日本)
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