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米エネルギー省、産業脱炭素化に向けて食品・ガラス・プロセス熱関連プロジェクトに約7億ドル拠出(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月3日 1時25分

米国エネルギー省(DOE)は3月25日、エネルギー集約型産業の脱炭素化や産業の温室効果ガス(GHG)排出量の削減などを目的とした33プロジェクトに、最大60億ドルを拠出すると発表した(2024年3月29日記事参照)。選定したプロジェクトのうち、2億6,680万ドルを拠出する見込みの食品、2億4,510万ドル拠出見込みのガラス、1億9,620万ドル拠出見込みのプロセス熱関連の主なプロジェクト概要は次のとおり。

〇食品関連

1. ユニリーバによるアイスクリーム製造の脱炭素化プロジェクト(テネシー州、ミズーリ州、バーモント州:連邦拠出2,090万ドル):アイスクリーム製造施設にある天然ガスボイラーを、電気ボイラーと廃熱を利用した産業用ヒートポンプに置き換えることで、年間1万4,000トン以上の二酸化炭素(CO2)排出量を削減する。このプロジェクトにより、建設業で240~300人の雇用創出を見込む。
2. クラフト・ハインツによる電化とエネルギー貯蔵によるおいしい脱炭素化プロジェクト(イリノイ州、ミズーリ州、オハイオ州、ミシガン州、インディアナ州、ニューヨーク州、ミネソタ州、アイオワ州、バージニア州:連邦拠出1億7,090万ドル):10カ所の施設にヒートポンプ、電気ヒーター、電気ボイラー、バイオガスボイラー、太陽熱、太陽光発電、熱エネルギー貯蔵装置を導入することで、CO2の年間排出量を30万トン以上削減する(2022年対比で99%削減)。このプロジェクトにより、建設業で500人の雇用創出を見込む。
3. 飲料製造での徹底的な脱炭素化のための熱電地導入プロジェクト(ケンタッキー州、イリノイ州:連邦拠出7,500万ドル):蒸留酒などの製造に使用していた天然ガスボイラーを、再生可能エネルギーを熱源とした熱電池と電気ボイラーに置き換えることで、年間1万7,000トンのCO2を削減する。このプロジェクトにより、建設業で144人の雇用創出を見込む。

〇ガラス関連

1. ガラス用ハイブリッド電気炉実証プロジェクト(オハイオ州:連邦拠出4,510万ドル):再生ガラスによる食器製造を行うための溶解炉を大型のハイブリッド電気炉に転換し、エネルギーの80%を再生可能エネルギーで賄うことで、CO2排出量を60%削減する。このプロジェクトにより、建設業で268人の雇用創出を見込む。
2. ガラス溶解炉脱炭素化技術プロジェクト(カリフォルニア州、オハイオ州、バージニア州連邦拠出1億2,500万ドル):ガラスの溶解炉を5つの最先端技術を実装した最先端のものに置き換えることで、廃熱を減らしてエネルギー効率を高め、CO2を現在の直接排出量の40%に当たる年4万8,000トン削減する。このプロジェクトにより、建設業で300人の雇用創出を見込む。
3. ガラス用ハイブリッド電気炉プロジェクト(カリフォルニア州:連邦拠出7,500万ドル):ワインや蒸留酒用のガラス瓶を製造する溶解炉を、地域の再生可能エネルギー由来の電力を利用したハイブリッド電気炉に転換する。これにより、再生ガラスの含有量を30%増加させるとともに、天然ガスの使用量を70%削減する。

〇プロセス熱関連

1. 分野横断的な徹底的脱炭素化のための蒸気供給ヒートポンププロジェクト(連邦拠出1億4,500万ドル、実施場所は未定):電動ヒートポンプによって産業用蒸気を供給するサービスを確立し、現在は化石燃料由来の熱供給に頼っている顧客にこのサービスを提供することで、脱炭素化や大気汚染抑制を図る。
2. ビクレル電気ボイラーとマイクログリッドシステムプロジェクト(アリゾナ州:連邦拠出5,120万ドル):浴室・シャワーヘッド製造施設に、天然ガスボイラーに代わり、太陽光パネル、蓄電池と電気ボイラーで構成されるマイクログリッドを設置することで、CO2を年間7,865トン削減する。このプロジェクトでは、製造業などで400人の雇用創出を見込む。

(加藤翔一)

(米国)

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