1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

EU首脳、域内防衛協力の拡大で一致、欧州委員長は米国の追加関税に断固とした対応強調(EU、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月5日 11時15分

欧州理事会(EU首脳会議)は2月3日、EUとしては初となる防衛のみに特化した非公式会合をブリュッセルで開催した(プレスリリース)。非公式会合であることから、総括は採択されなかったものの、欧州理事会のアントニオ・コスタ常任議長は会合後、EUと加盟国が議論しているのは、防衛力強化の是非ではなく、その方法だとし、早急に議論を進める方針を強調した。

議論の中心となったのは、防衛能力、資金調達、パートナーシップの3点だ。コスタ常任議長によると、EUとしては軍事品の迅速な生産拡大に向けた域内の防衛産業の強化が必要で、EUと加盟国はミサイル防衛システムの配備や弾薬の製造など、最も喫緊の課題に注力することで合意した。

防衛力強化に向けた財源について、コスタ常任議長は、加盟国は過去4年間で防衛費を3割増やしており、23加盟国については防衛費をGDP比で2%以上とするNATO目標を達成したと評価した。一方で、多くの加盟国では財政赤字が拡大しており、EUは財政規律枠組みを改正したばかり(2024年2月21日記事参照)。この点に関し、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、加盟国が防衛費を大幅に増やすことができるよう、財政規律枠組みの柔軟な運用を検討すると述べた。ポーランドやギリシャがかねて提案しているミサイル防衛システムの配備に対するEUレベルでの資金調達については、一部の加盟国から強い支持を得ているとしたものの、ドイツなどが反対していることから、まずはEUレベルで実施するプロジェクトの内容を検討することが先だと述べるにとどめた。

米国が追加関税を課した場合には、断固とした対応をとる方針強調

パートナーシップについて、コスタ常任議長は、NATOを前提とした安全保障における対米関係の重要性に言及した。米国は欧州の友人であり、同盟国であり、パートナーだとし、意見の相違があったとしても、話し合いで解決する必要があるとした。

米国のドナルド・トランプ大統領がEUに対し「絶対に」関税を課すと発言した件に対しては、フォン・デア・ライエン委員長は米国と建設的な対話に努めるとした上で、カナダやメキシコに対する追加関税(2025年2月4日記事参照)を念頭に、不公平な追加関税の標的にされた場合には、断固とした対応をとる用意ができていると発言した。

(吉沼啓介)

(EU、米国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください