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「妖怪のせい」にする子どもへの対応

JIJICO / 2014年10月7日 12時0分

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「妖怪のせい」にする子どもへの対応

子どもたちは母親の怒りを敏感に感じ取る

アニメやゲーム、玩具などで子どもたちの間で人気を集める「妖怪ウォッチ」がブームとなっています。一方で、中国新聞の子育て相談コーナーに寄せられた悩みが、ネットを中心に議論を呼び起こしています。その悩みとは、アニメ「妖怪ウォッチ」を見始めた4歳の息子が、何か注意するたびに「妖怪のせい」と言い返してきて困っているというものです。

子育ては、体力気力が必要だということは分かります。子どもが繰り返す行為や減らず口に疲れ果て、あっけらかんとしたその態度に怒る親がいて当然かもしれません。しかし、そんな時こそ、親も楽しい気持ちで子どもに教えればいいのではないでしょうか。人は言葉よりも先に、相手の感情を受け取るといいます。母親の怒りを感じ取れば、子どもたちは既に逃げの態勢で構えます。

例えば、片付けができない子どもであれば、いかにも楽しそうに片付けて見せ、その方法を教え、やって見せてを繰り返します。そして、できた時には褒め、任せられるようになれば認めてやり、自立の力を積み上げていきましょう。

子どもの本物のヒーローを見つけてやるのも大人の役割

親が子育ての工夫や、繰り返す努力をせずに、言っただけで子どもが良い子になどなるはずがありません。子どもたちの間で流行するその時々のヒーローは、親にはできない子育てをしてくれているのであって、親がお門違いな排除などすれば、子ども同士の連帯感が損なわれてしまいます。

さらに言えば、成長する年齢に応じて教えておくことはいくらでもあります。親がその年齢で教えておくべきことを教えなければ、次第に手に負えなくなっていくのです。親の膝に乗って本を読み聞かせられる年ごろに本に親しむような習慣が付けば、本をきっかけに世界は広がります。活字が育む想像の世界には、アニメのヒーロー以上の主人公たちがいくらでも存在しています。本が好きな子どもに「キレる」子どもは少ないと言われますが、本を読む習慣も親の影響が強いはずです。

確かに、アニメの魅力は最強といっても過言ではありません。しかし、だからといって子育てをテレビだけに任せていいとは誰も思いません。十代で活躍する青少年たちは、その練習に打ち込む日々を重ねているからこそ活躍できるのであって、どんな人間も何かの努力なしに道は切り拓けません。本物のヒーローは「散らかっているのは、妖怪のせい」などとは決して言いません。子どもの本物のヒーローを見つけてやるのも、大人の役割なのではないでしょうか。

(村井 純子/総合教育講座講師)

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