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不祥事続くNHK、コンプライアンスを浸透させるには

JIJICO / 2014年12月16日 12時0分

不祥事続くNHK、コンプライアンスを浸透させるには

不祥事続くNHK、コンプライアンスを浸透させるには

対岸の火事ではない企業の不祥事

NHKで不祥事が続いています。同社の社員が、出会い系サイトで知り合った女性の財布から現金を盗んだ疑いが持たれたり、酒気帯び運転で逮捕されるという事件が相次いで起こり、同社会長が謝罪会見を行う事態にまで発展しています。おそらく、ほとんどのNHKの社員は真面目に勤務されていることでしょう。しかし、ごくごく一部の人が起こした事件によって、企業イメージは大きく傷ついてしまうのです。

最近では、ベネッセの情報漏えいや、米国でのリコール問題、少し前ではホテルや飲食店での食品偽装など、耳を疑うような事件が続出しています。確率でいうと、大規模な企業になるほど不祥事を起こすような社員がいる割合は増しますが、これらの事件を反面教師にして、中小企業でも真剣に対策を講じなければなりません。なぜなら、企業体力に乏しい中小企業においては、突然に起こった不祥事によって破たんしてしまう可能性が高いからです。

「コンプライアンスが最優先課題」。経営トップが宣言すべし

コンプライアンスを徹底するために最も重要なことは、「コンプライアンスが最優先課題である」ことを経営トップが「宣言」することです。これだけ企業の不祥事が続出しているにも関わらず、未だに無くならない根本的な原因として、コンプライアンスが短期的な企業利益と相反することが挙げられます。

例えば、法令を遵守することによって、原材料や管理コストが増加し利益率が低下するという事態が起こりえます。もし、経営トップが利益性を最優先にしていたとしたら、社員は「これは法令に反しているんだけれど」と思いながらも、利益を減少させたくないがために法令違反を見過ごしてしまうということも考えられるでしょう。このように、経営トップの価値観が大きく影響を与えているのです。

特効薬はない。正攻法で地道にコンプライアンス教育を

次に必要なことは、地道な「教育」です。経営陣が自社の事業運営に必要な法令に関する正しい知識を持っていることは当然のことですが、現場で直接に社員を指揮する管理監督者にしっかりとコンプライアンスの意識を教育することが必要不可欠です。そして、仮に法令違反が見つかったならば、全社マターとして早急に解決する方針を打ち出すことです。

この時、経営トップがコンプライアンスを最優先課題として位置づけていなかったり、きちんとしたコンプライアンスの教育を行っていなかったりすると、ズルズルと解決が先延ばしされてしまいます。特に中小企業では、一人の社員が複数の役割を兼任していることが多いので、日常業務に流されてコンプライアンスが後回しになってしまいがちです。

やはり、コンプライアンスに関しても、一気に解決できるという特効薬はなく、正攻法で地道に取り組んでいくことが大切と考えます。

(福留 幸輔/組織・人事コンサルタント)

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