「相続」大増税時代へ 生命保険で対策を
JIJICO / 2015年1月12日 9時0分
「相続」大増税時代へ 生命保険で対策を
相続税改正で基礎控除額引き下げ、課税対象者は全国平均で6%に
いよいよ今年(平成27年)から相続税は大増税時代を迎えます。相続税改正の目玉は基礎控除額の引き下げです。今まで「5,000万円+1,000万円×相続人の数」あった基礎控除が「3,000万円+600万円×相続人の数」となり、課税対象者は全国平均で4%から6%に増えるといわれています。
しかし、これはあくまで全国平均で、首都圏内では30%近くが課税対象者になるという試算もあります。
納税資金は極力、生命保険金で確保。受取人は子どもに
相続税の増税にともない、最近、相続税対策への関心が急激に高まっています。相続税対策の基本は、まず非課税制度を最大限活用することです。非課税制度の代表例は生命保険金。現行法(平成27年度現在)では500万円×相続人の数が非課税となっています。例えば、相続人が4人の場合、2,000万円(500万円×4人)の死亡保険金を相続人が受け取ったとしても、その2,000万円は相続税計算上、非課税となります。
そのため、納税資金を100%課税される現預金で遺すのと、非課税の生命保険金で遺すのとでは相続税の額は大きく変わってきます。納税資金は極力、生命保険金で確保するようにしましょう。その際、生命保険金の受取人は配偶者より子どもにしておく方が良いでしょう。なぜなら、配偶者は相続税が基本的に免税され、ほとんどの場合、相続税が発生しないからです。ですから、生命保険金の受取人は、相続税の発生する子どもたちにしておくことをお勧めします。
また、生命保険は手続き面でもメリットがあります。被相続人の預金は、相続が発生すると相続人全員の合意が整うまで凍結されますが、生命保険金は受取人固有の財産となるため、簡易な手続きで、通常相続後2~3週間以内に相続人の口座に直接入金されます。
相続税の節税対策だけではなく、争族対策でも大きな効力を発揮
生命保険金の活用法は他にもあります。それは遺留分対策です。遺留分とは、遺言などにより特定の相続人(以下「A」)にあまりにも偏った相続財産が相続された場合、他の相続人がAに対して請求できる最低限の相続権です。
例えば相続財産が現金2,000万円と不動産1億円のみで、すべて相続人Aに相続させる遺言が出てきたとすると、A以外の相続人はAに対し、遺留分を請求することができます。そこで、現金2,000万円を生命保険金に振り替えておけば、遺留分の請求対象となる財産は不動産の1億円のみとなります。生命保険金は受取人固有の財産として扱われるため、遺留分の請求から外されるのです。その上で、遺留分の請求にその生命保険金を充てれば良いのです。
このように生命保険金は相続税の節税対策としてだけではなく、手続き面、争族対策でも大きな効力を発揮します。保険は嫌いという話をよく耳にしますが、相続税が好きと話は聞いたことがありません。遺される相続人のためにも生命保険の上手な活用を考えてみましょう。
(松岡 敏行/税理士)
この記事に関連するニュース
-
10年前に離婚し、息子の大学卒業を機に再婚しました。再婚相手には幼い子どもが2人、“もしものとき”に再婚相手と子どもに財産が多く残るようにしたい! 可能でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月29日 2時10分
-
兄さん、相続はどうするの?父が遺した〈遺産1億円〉を兄妹で相続も大部分が不動産…52歳・専業主婦の妹、どうしても〈代償金3000万円〉を欲しかった事情【相続の専門家が解説】<br />
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月28日 10時15分
-
とっとと出ていきな!クリスマスイブに押しかけてきた〈食い尽くし系〉の兄に〈82歳母〉ついに爆発…そのうち〈夫婦の財産1億3,000万円〉も食い尽くされるかもと52歳男性が怯えるワケ【相続の専門家が解説】<br />
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月24日 10時15分
-
くれぐれも争いのないように…「資産1億6,000万円」90歳・大往生の母が残した“万全”な遺言書。一転、長男が遺言通りに執行しなかったワケ【CFPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月18日 10時45分
-
親が「3000万円」の財産を残して亡くなりました。私の遺留分はいくらですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月17日 5時40分
ランキング
-
1芸能人なぜ呼び捨て?「日本語呼び方ルール」の謎 日鉄会長の「バイデン呼び」は実際に失礼なのか
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 9時20分
-
2急増する大手黒字企業リストラのシビアな背景…2024年「早期・希望退職」1万人超え、前年比3倍に
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月15日 9時26分
-
3賞味期限「2年前」のゼリーを販売か…… 人気スーパーが謝罪「深くお詫び」 回収に協力呼びかけ
ねとらぼ / 2025年1月15日 7時30分
-
4「室内寒暖差がつらい…」その要因と対策が明らかに! - 三菱電機が紹介
マイナビニュース / 2025年1月14日 16時10分
-
5靴下真っ黒で徘徊…87歳老母が冷凍庫に隠していた「うなぎパック50個」の賞味期限を知った50代娘の切なさ
プレジデントオンライン / 2025年1月15日 10時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください