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自宅を民宿に?「airbnb」が秘めるビジネスの可能性

JIJICO / 2015年4月29日 18時0分

自宅を民宿に?「airbnb」が秘めるビジネスの可能性

自宅を民宿に?「airbnb」が秘めるビジネスの可能性

人口減少に伴い賃貸住宅の空き部屋問題が浮上

現在、団塊の世代では遺産相続が問題になっています。親から実家を受け継いだとしても、子どもは既に都心に家を持っているなどの事情があり、持て余してしまうのです。さらに、相続税の支払いも考える必要があります。売却しようにも、事はうまく運びません。では、持て余した実家をどうするか。

実は、相続税を軽くする裏技があります。銀行からお金を借りてアパートなどの賃貸住宅を建てれば、相続税は軽くなるのです。銀行への返済も家賃収入から賄えばよく、仲介業者に頼めば、工務店や銀行の紹介など全てお任せで工事は進んでいきます。しかし、この方法も人口が増え、賃貸住宅を供給したいという時代に考えられた仕組みです。現在のように人口が減少しているにもかかわらず、従来のまま賃貸住宅が増加した結果、空き部屋が増えるという問題が浮上しました。

米国生まれの「Airbnb」の登場で変わる宿泊業界

空き部屋からは家賃収入が発生せず、銀行への返済も滞ります。かといって実家をそのまま受け継げば、相続税と固定資産税が発生。そこで最近、空き部屋問題を解決して収入を増やすため、外国人バックパッカーらに宿として提供する個人が現れ始めました。

日本の宿泊業といえば、防災、防犯、衛生はもちろんのこと「おもてなし」を重視しています。そうした日本式の接客を好む外国人も多いはずです。ところが、近年増えている外国人バックパッカーとしては過剰なサービスは不要で、安い宿泊料を求める傾向にあります。

一部の宿泊業は対策を進めていますが、まだまだ少数派。そこに、米国生まれの「Airbnb」が登場しました。空き部屋を貸したい「ホスト」は無料で広告を掲載し、実際に借り手である「ゲスト」が現れれば、3%の手数料を払うというマッチングサービスです。このサービスの出現に、宿泊業界も黙ってはいません。

規制を強めても類似サービスが現れるだけ

正規に許可を受けている宿泊業は常連客の高齢化が進み、徐々に客数が落ち込んでいます。苦しい経営を尻目に、許可を受けない個人が次々と部屋を貸し始めたという事態に対して反発するのは当然です。そうした声を受け、当局からの指導を無視して営業を続けた業者が逮捕された事例があります。

とはいえ、グレーゾーンを無くして認可を必須とすれば、ホームステイや知人を泊める場合にまで踏み込まなければなりません。また、「Airbnb」を叩いたとしても、雨後の竹の子のように類似サービスが現れるだけです。では、どうすればいいのでしょうか。

宿泊業界は新たに投資することなく儲けられる絶好の機会

今後、東京五輪開催を控え、訪日外国人数は増加していきます。宿泊業者の本音としては、金払いの渋いバックパッカーは相手にしたくないはずです。ならば、いっそのこと目の敵にしている個人に任せ、むしろ、個人にはお金を貰って宿泊業のノウハウを伝授して認定制にするのです。

認定ノウハウを売る個人を探すには、「Airbnb」が利用できます。そして、「Airbnb」には「宿泊先は認定ホストで安全です」との広告を出します。バックパッカーも数多くの宿から選ぶのであれば、認定ホストを候補にするでしょう。そして、正規の宿泊業者は日本式の接客を好む人だけを相手にすればいいのです。宿泊業者は授業料と良質な顧客の両方を手に入れることができます。法改正は必要だと考えられますが、宿泊業界は新たに投資することなく儲けられる絶好の機会なのです。

(木村 尚義/経営コンサルタント)

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