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始めましてのメール(やりとり)を送る時のマナー「お世話になります」って良いの?

JIJICO / 2017年12月27日 11時20分

始めましてのメール(やりとり)を送る時のマナー「お世話になります」って良いの?

始めましてのメール(やりとり)を送る時のマナー「お世話になります」って良いの?

コミュニケーションツールは要件に応じて使い分けたい

1960年代になってメールが登場して以来半世紀が過ぎ、今やメールはプライベートでもビジネスシーンでも必要不可欠の通信手段になりました。しかしパソコンメールにせよ携帯メールにせよ歴史が浅いため、手紙のように共通のマナーやルールが定まっておりません。

加えて文字だけの一方通行のコミュニケーションであり、さらにメールに対する感覚も個々人により様々です。従って不安や迷いや弊害も多々あることは確かです。

それだけに初めての人にはどのように切り出すか?あるいは立場が変わって、突然メールをいただき、その都度返事を出すべきか?迷ってしまう人も多いと思います。

メールがコミュニケーションツールとして定着したとはいえ、実際にはオールマイティーではないという認識が大切だと思います。緊急を要したり念を押したい要件なら電話、報告書や企画書なら文書、急ぎの資料はファックスなどと、伝達方法を適切に使い分けるといいでしょう。

メールは一方的なツール。改まったお願いは事前に手紙や電話が望ましい

以前は、初めての人や目上の人に対してのお願いやお詫びを、気軽にメールでするのは失礼だという人もかなり存在しました。確かに最近ではメールに対する見解もかなり変わってきましたが、依然として「どんな内容ならメールでいいの?」という声はよく聞かれます。

厳格なマナーやルールが確立されてないだけに、微妙な線引きが大変難しいところです。
メールは迅速に、いつでも、どこからでも送れるので便利ですが、どんなに上手な文章であれ、一方的であることは確かです。

画面に映し出された事務的な言葉には感情がなく、受け取った側は釈然としない気持ちに陥ることもあるでしょう。また違和感を覚える人も多いでしょう。

「取り急ぎメール」もいいでしょうけど、改まったお願いの場合は、前もって手紙や電話が望ましいところです。

メールでも大切にしたい思いやりの心と出足の挨拶文章

とはいえ、ビジネスシーンでメールのやりとりが常識になり、メールでのお願い事がすっかり許容範囲になっていることも珍しくないようです。

初めての人へのお願いを、メールという手段で依頼する場合を考えた時、文面は手紙の基本と同じように、丁寧に書くことがお勧めです。

メールの場合は、とかく事務的になりがちですが、それだけにそれを逆手に取り、思いやりの心が感じられ、好感を与える内容にしたいものです。

程よく改行するとか、長くなるようなら一行開けるとか、メールならではの注意をするとともに、始めての人には少々堅いくらいの文面がいいでしょう。

思いやりの言葉もぜひ添えたいものです。具体的には次のような内容がお勧めです。

相手の名前

会社名や部署名まで省略しないで丁寧に書いて下さい。

簡単な時候の挨拶。

1-2行程度の時候の挨拶を加味するだけで大変好感度が高くなります。

一般的にはメールには時候の挨拶は不要といわれているようですが、マナーの視点で全体のバランスを考えた場合、ほんの15字前後でもいいですから、季節の言葉は入れてください。相手の心遣いを感じさせてくれます。

いきなり「お世話になります。早速ですが・・・」では、いくらメールとはいえ温かみが感じられません。まして初めての人の場合、「この人と仲良くしたい」という気分にはならないでしょう。

また「承知いたしました」「了解です」のみの返事には閉口します。

「お世話になります」いう旨の挨拶

始めての人なら「突然のメールで失礼いたします」がお勧めですが、二度目からは「いつもお世話になっています」に変えたほうがいいでしょう。

自己紹介

始めての場合は「初めまして・・・」という自己紹介があればいいですね。

本文

伝えたい要件を具体的に、かつ明瞭簡潔に述べてください。

結び

「どうぞよろしくお願いいたします」とともに最後に、「時節柄ご自愛ください」のような思いやりの言葉をぜひ添えてください。

この思いやりの言葉があるか、ないかで印象が大きく異なります。

末尾

会社名、氏名、メールアドレス、電話番号を忘れずに。

メールが良い場合、悪い場合はどこで判断するか?

メールのおかげで要件が速やかに運ぶことは誰しも否定しませんが、何でもかんでもメールでは、誠意が伝わらない場合も多々あります。

明確な正解はないと思いますが・・・。従って時と場合、さらにやりとりする相手を常に考慮する必要があります。

例えば手紙で依頼された返事をメールで出す場合、せっかく相手が手紙で丁寧に依頼したにもかかわらず、メールで返事をする場合、ことが急を要する場合は正解になるでしょう。
しかし3日も4日も経過して返事をメールですれば、大変失礼なことにもなりかねません。
さらに相手が年長者の場合は電話や手紙のほうが好感を持たれるかもしれません。

また正月が近くなってきましたが、メールでの年賀状。これは賛否両論ありますが、受け取った相手がどのように思うかです。形式ばった年賀状より心がこもっていれば喜ばれるかもしれませんが、相手は年賀状で新年の挨拶をしてくれたにもかかわらず、こちらがメールにすれば相手は不快になるかもしれません。

日常において、常にメールでやりとりしている相手か、それともアナログ人間で形式を重んじる人かで判断すればいいでしょう。

加えてメールで済む案件か、電話のほうがいいのかの判断も大切です。

メールかどうかにかかわらず、気配りの気持ちが相手に好印象を与える

初めての相手と取引を始める場合、「この人とてもいい感じ!」「ぜひ一緒に仕事をしたいなあ・・・」と、最初から相手に好印象を与える人は、例外なく相手に対して「気配り」が上手です。接客にしてもマニュアル通りではなく、ビジネスマナー教本にも書かれていない、ちょっとしたコツをつかんでいます。ここが非常に大切でメールしかりです。

TPOに応じた状況を的確に察した気配りが、相手に感動を与えるのではないでしょうか。つまりコミュニケーションを上手にとるには、一般的なビジネスマナーのみならず、相手に対する思いやりの心を持つことが大切だと考えます。

情報伝達技術にたけている人は多々いますが、形だけのマナーにせよスキルにせよ、それだけではすぐに飽きられてしまいます。

心のこもった自分らしいコミュニケーションスキルを身に付けてください。「心を込める」とは、相手を理解して、しっかり手間・暇をかけるということだと思います。

(平松 幹夫/マナー講師)

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